“おあねえさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
令嬢33.3%
令嬢様33.3%
御姉様33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや就きまして……令嬢おあねえさまに折入ってお願いの儀が有りまして、幾重にも御遠慮は申しながら、辛抱に堪えかねて罷出まかりでました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東西もわきまえぬこの荒野あれのとも存ずる空に、また、あの怪鳥けちょうの鳶の無気味さ。早や、既に立窘たちすくみにもなりましょうず処——令嬢おあねえさまお姿を見掛けましたわ。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「秋の雲、靉靆あいたいと、あのとびたちまち孔雀くじゃくとなって、その翼に召したりとも思うお姿、さながら夢枕にお立ちあるように思出しましたは、貴女あなた令嬢様おあねえさま、貴女の事じゃ。」
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
分別の尽き、工夫につまって、なさけなくもおしえを頂く師には先立たれましたる老耄おいぼれほかすがろうようがない。ただ、ひとえに、令嬢様おあねえさま思詰おもいつめて、とぼとぼと夢見たように参りました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それが人の来た容子ようすに驚いて、急いでこちらを御覧になりましたが、御姉様おあねえさまの御顔を一目見たと思うと
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「わん、わん、御姉様おあねえさまの御姫様は、生駒山いこまやま洞穴ほらあなに住んでいる食蜃人しょくしんじんとりこになっています。」と答えました。食蜃人しょくしんじんと云うのは、昔八岐やまた大蛇おろちを飼っていた、途方もない悪者なのです。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)