“処女”のいろいろな読み方と例文
旧字:處女
読み方(ふりがな)割合
おとめ46.1%
むすめ15.8%
きむすめ11.2%
をとめ7.9%
しょじょ5.9%
おぼこ3.9%
ヲトメ2.6%
おぼこむすめ0.7%
しよぢよ0.7%
ちよによ0.7%
(他:7)4.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“処女”を含む作品のジャンル比率
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語11.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.2%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
この娘の癖で、どうかすると叔父の顔に近く自分の処女おとめらしい顔を寄せて、言い難い喜悦よろこびの情を表わそうとした。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「誓った言葉に背きはしませぬ。処女おとめのままの娘として、お紅殿をお返しいたしましょう。お信じなされ、お信じなされ」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
芸者なんぞになったとて、色も諸分しょわけも知抜いた、いずれ名取のおんなども、処女むすめのように泣いたのである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて愛らしい花嫁となる処女むすめが、祝言しゅうげんの前晩に頓死とんしするのもある、母親の長い嘆きとなるのも知らずに。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
しかし十七歳の、それも一月後には嫁入ろうとする処女きむすめにとっては、今の「女を憎む男の話」は嬉しいものではなかった。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
処女きむすめが他人に肌を弄られたような無気味さと恥辱とに身をふるわしながら、かまきりはいきなり私の指に噛みつこうとした。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
しかし処女をとめたちの顔は蒼白く、そのからだはまるで透明な霞で造られて、銀いろの月の光りに照り透されてゐるやうに見えた。
なよらかな銀いろの靄のなかで、鈴蘭の花の咲きみだれた牧場のやうに、白い下著をきた処女をとめたちが、影のやうに軽やかに揺曳してゐる。
わずかに百日もたぬ間にこれほどに処女しょじょと商売人とは変わるものかと、いた口がしばらくじなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
維也納ウインナ生れの碧眼へきがん処女しょじょとふたりで旅をして、ふたりして此の大河のながれを見ていた時である。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
オドオド顫えながら答えたのは、秀次の愛妾葛葉くずはの方が、この頃になって召しかかえた、十七の処女おぼこらしい侍女であった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……栞殿は無邪気な処女おぼこ、頼母殿を、すさんだ仇し女などに取られるより、まだしも栞殿に譲った方がのう。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
下枝シヅエらは人みな取り、秀枝ホツエは鳥枯し みつぐりの 中つ枝の 含隠フゴモり アカれる処女ヲトメ
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
家中の人は、家の巫女なる処女ヲトメ——処女の生活をある期間してゐた主婦又は氏女——を残して、別屋——新嘗屋となつた——又は屋敷の庭に出てゐる。
思案している時じゃアない。桔梗様には処女おぼこむすめだ。一刻半時の手違いで、取り返しの付かない身ともなる。それこそ泣いても泣かれない。それにしてもさ、一体全体、どいつがこんなことをしたんだろう。七福神組を出し抜いて、途方もない真似をしゃアがる。と、云って怒ったってはじまらない。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『はじめは脱兎だつとの如く』と云つておいて、そして、『をはりは処女しよぢよのごとし』と云ふあたりは、あぢはつてみるとどうもうまいところがある。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
すぐ処女ちよによよ、お前を迎へにくる
長長秋夜 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
処女キムスメの意味と、木が娘の姿に見える、といふ二つを掛けた、しやれた呼び名だつたのです。
恒雄はじっとその姿を見た。「俺よりも妻の方がよほど処女バージニチイに遠い!」と彼は思った。それから後で彼はそれを思い出す度毎に、妻の感覚のうちにはあの男との過去の回想が交っていると推定したのである。
囚われ (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
処女ピュセルという字を知ってるだろう。」とニヤリとして、「ね、そこで解るだろう。ピュスラージュはお初という事になる。但し婦人の前で此んな言葉は厳禁だ。」
二人のセルヴィヤ人 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
まだ二十を二つ越したばかりの若い処女ムスメが死んだ、弱い体で長い間肺が悪かっただけその短い生涯も清いものだった。
つぼみ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
処女ムスメの死と赤い提灯
つぼみ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
結果は思いのほかよかった。警察医は妙な笑いかたをしながら、君、あいつは処女ユングフラウだぜ、といった。これが係官の心証をよくした。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
わが心の深淵しんゑんに突き落されし処女ヴアジンぎんむせびをきく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)