“早処女”のいろいろな読み方と例文
旧字:早處女
読み方割合
サウトメ36.4%
サヲトメ36.4%
さおとめ18.2%
さをとめ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此が早処女サウトメとなつて、田植ゑの行事をするのだ。此以前に行はれるのが、盆釜と言はれる式で、即、早処女になる以前の成女戒である。
盆踊りの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
水の神の贄として、早処女サヲトメが田の中へ生き埋めになつた物語、及び其が形式化して「イチの早処女」を、泥田の中に深く転ばす行事がある。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其に今一つ、既に述べた女の野遊び・山籠やまごもりの風である。此は専ら、五月の早処女さおとめとなる者たちの予めする物忌みと、われ人ともに考えて来たものである。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
若人たちは、又例の蠱物姥まじものうばの古語りであらうとまぜ返す。ともあれ、かうして山へ上つた娘だけが、今年の田の早処女さをとめに当ります。其しるしが此ぢやと、大事さうに頭の躑躅に触れて見せた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)