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女兒
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むすめ
女兒が
優しき介抱に
心緩みし武左衞門
枕に
着てすや/\と眠りし容子にお光は
長息夜具打掛て
密と
退側に在し硯箱を出して墨を
ば
何日とて云うて來ぬかモウ今日あたりは
來然な物と
親父が
言ば
女兒もまた戀しい人と二世の
縁結ぶに附て
嬉しさの
一日を
ば
引摺り込み
結納までも
取交せしぞ
息子の
意に
叶たる者にてあらばとは
云たれど惡ひ病があつても
能いと我々夫婦は決して云ぬに
和郎は左樣な
女兒とも知ずに
縁を