“女将”のいろいろな読み方と例文
旧字:女將
読み方割合
おかみ81.0%
かみ9.0%
かみさん2.0%
じょしょう2.0%
マダム2.0%
ぢよしやう1.0%
おつかあ1.0%
ぢょしょう1.0%
をかみ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浜町の豊田の女将おかみが、巫女舞みこまいを習った時分に稽古をしたので、その頃は、新橋でも芳町でも、お神楽かぐらが大流行だったと云う事である。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「女の子はお半、おふさ、お六、おはぎまつり——こいつは年の順ですが、二十一から十七まで、それにお女将かみのお余野よのが入るんだから、その賑やかさということは」
女将かみさんは返事をする準備として、とりあえず取って付けたようにおびえた顔をした。この辺には珍らしく眉を剃って鉄漿おはぐろをつけているからトテモ珍妙だ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それにおいても、ある時はいかなる他の卓子テーブルにおいても、女王とは言わない。女将じょしょうの役を演ずるべくすっかり用意をしていた。
「何て世話の焼ける英吉利人だろう!」——と、舌打ちをした女将マダムセレスティンは、ぐいと女袴スカアトの膝を掴むと、先に立って階段を昇って行った。自分で起そうというのだ。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
築地つきぢ二丁目の待合「浪の家」の帳場には、女将ぢよしやうお才の大丸髷おほまるまげ、頭上にきらめく電燈目掛けて煙草たばこ一と吹き、とこしなへにうそぶきつゝ「議会の解散、戦争の取沙汰とりざた、此の歳暮くれをマアうしろツて言ふんだねエ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
... の着物がのこつてります。それから御先代ごせんだい木像もくざう過去帳くわこちやうのこつてります」「それでは、ちよいとそれをつてもらひたい」といふと、女将おつかあすぐに車に乗つてつて取つてました。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
女将ぢょしょうひとみは乾き切ってゐる
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
憲兵にしたゝかあぶらを搾られ、「満洲へ引返さうか」と途方に暮れてゐたその「カフエー」の女将をかみは、今や、保定第一の女富豪として国防婦人会々長の肩書もいかめしく
後日譚 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)