“おかみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オカミ
語句割合
女将27.8%
内儀27.5%
主婦9.6%
御上6.5%
女房5.5%
政府4.8%
女將3.1%
幕府2.4%
御内儀2.1%
御神1.4%
公儀1.0%
主君1.0%
0.7%
御主婦0.7%
公邊0.3%
警察0.3%
慈善0.3%
龗神0.3%
国庫0.3%
官権0.3%
岡見0.3%
御公儀0.3%
御家内0.3%
徳川家0.3%
有司0.3%
朝廷0.3%
淤加美0.3%
淤迦美0.3%
私服0.3%
細君0.3%
酒婦0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「だが、お前のお養母っかさんの浜中屋の女将おかみときては、公方くぼうの肩持ちで、ちゃきちゃきな江戸ッ児だからな。万一、密告されると……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「三輪の萬七親分が、内儀おかみさんを縛つて行きました、——どんな證據があらうと、あの人は、そんな事をする人ではございません」
すると、彼の目の前に下宿の主婦おかみのあぶらぎった顔が浮んだ。彼は自分が痩せて居たために、ふとった人間を見るとしゃくにさわった。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ところが人間万事塞翁さいおうの馬、七転ななころ八起やおき、弱り目にたたり目で、ついこの秘密が露見に及んでついに御上おかみ御法度ごはっとを破ったと云うところで
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女房おかみさん、桑名じゃあ……芸者の箱屋は按摩かい。」と悚気ぞっとしたように肩を細く、この時やっと居直って、女房を見た、色が悪い。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
政府おかみの御用だと称して獣脂を狩り集め、人々をまんまとペテンに掛け、例の梵妻からなどは百ルーブリの余も巻きあげて行ったからである。
殊に先々代の女將おかみは聲が美しく、天滿てんま村のきりぎりすと呼ばれて、村の老人としよりの中には今でも其の美しい聲色こわいろをつかふものがある。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
……徒党を組んでの、押し借り強請ゆすりの薬が利きすぎ、とうとう幕府おかみから、お触れ書きさえ出されましたっけねえ。あっしゃア、暗記そらで覚えておりやす。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「まったく見当もつきません、主人も見覚えがないそうで、たぶん御内儀おかみさんが隠して持っていたものでしょう」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
店の方では電話が仕切なしにちりんちりんと鳴っている。ひん御神おかみさんが、はあもしもしを乃別のべつに繰返す。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
公儀おかみへは遠乗りの途中暴れ馬が殿を乗せたまま雑木林に飛込み、木の枝で眼をつつかれた——と届出ているが、町人のもてあそぶ楊弓の矢で眼を一つつぶされては、何としても諦められない。
主君おかみから補助金を下げられるように、取り成しをしなければならなくなる。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ところがここに粋なことが起こった。何かというに剽軽者ひょうきんものの火事で、二軒の屋敷を焼いてしまった。得たりとそいつへつけ込んだのが、忍侯の松平正敏様で、屋敷地をおかみへ返上したものさ。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
見付けしに相違さうゐなければ公邊おかみへ訴へ何處迄どこまでも黒白を分け申べしと片意地かたいぢはつて持參金を返濟へんさいせぬ工夫くふうをなすに忠八もそばより日頃又七樣下女に手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
持て我が寢所ねどころへ來りし故怪敷あやしくおも片蔭かたかげかくれてうかゝひしに夜着よぎの上より我をさし候樣子に付き取押とりおさへて繩をかけしなり此儀このぎ公邊おかみうつたへ此者を吟味ぎんみ致さんと云ひけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御承知でもありましょうが、日本の警察おかみはこれでなか/\粋に出来ていて、元日だけは何事も大目に見ることになっている。然るに今朝の一件です。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……聖天横丁の入口に警察おかみのトラックが停って、両側の木賃宿を一斉に網の目をすくように洗っているんですの。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
で、その子は生れたその日に、『慈善おかみ』の冷たい膝に——今夜、僕があやふく埋められかけた雪だまりのやうに冷たい膝に、抱きとられたのです。
慈善おかみは、その頼りない哀れな子供を金持の母方の親戚のもとに連れて行きました。
藤原夫人ふじわらのぶにんが、前の御製にこたえ奉ったものである。龗神おかみというのは支那ならば竜神のことで、水や雨雪を支配する神である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
わがをか龗神おかみひてらしめしゆきくだけ其処そこりけむ 〔巻二・一〇四〕 藤原夫人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
申して、お腹立ちになっちゃ困りますが、その税金は毎年納めておくんなさるのでがしょうねえ、そしてその金は、こちらへ廻して下さるだか、それとも直接じか国庫おかみへ納めておくんなさるだかね?
思ひきり懲らしめてやることぢや! 官権おかみの力がどんなものか思ひしらしてやることぢや! そもそも村長たる者は皇帝ツァーリからでなくて誰から任命されてゐると思ふとるのぢや? あとで他の奴らも懲らしめて呉れよう。
すでに江戸に始めて来たとき、同藩の先輩岡見おかみと云う人が、和蘭オランダ辞書の原書を飜刻ほんこくして一冊の代価五両、その時には安いもので随分望む人もある中に、私が世話をして朋友に一冊買わせて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あざむき私しに宿やどへ下り候は不埓ふらちなりしかりと雖も御公儀おかみいつはらざるゆゑ過料金くわれうきん三兩つぎに盜賊伊兵衞重罪ぢうざいなれども神妙しんめう名乘なのり出其上喜八をたすけ候だん奇特きどくに付御慈悲おんじひを以て多くのつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
らつしやい、お芽出めでたうございます、相変あひかはらず御贔屓ごひいきを願ひます、モシ、ちよいと御家内おかみさん、福富町ふくとみちやう旦那だんなが。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
徳川家おかみ御一門の威信にかかわるゆゆしい問題。
有司おかみへよばれようおおこは
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
朝廷おかみはでたらめ。政閣は奸臣かんしんの巣。ここら薊州けいしゅうあたりの安軍人までが、あんなざまじゃございませんか。私みたいな凡くらでさえ、何クソっていう気が底にありますからね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この神、天の甕主みかぬしの神の女前玉比賣さきたまひめに娶ひて生みませる子、甕主日子みかぬしひこの神。この神、淤加美おかみの神の女比那良志ひならし毘賣に娶ひて生みませる子、多比理岐志麻美たひりきしまみの神。
みあに八島士奴美の神、大山津見の神の女、名ははな知流ちる比賣にひて生みませる子、布波能母遲久奴須奴ふはのもぢくぬすぬの神。この神淤迦美おかみの神の女、名は日河ひかは比賣に娶ひて生みませる子、深淵ふかふち水夜禮花みづやれはなの神。
「一方、踏ちゃんの方はというと、寝恍けるに事を欠いて、起しにかかった私服おかみの手にすがりついて、まだ帰っちゃ厭、なんぞ発した穏かならん一幕もあり」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「どうの、こうのって、大将、彼奴の細君おかみさんが」声を落して、「男をれて来てるのだぜ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「サッチョンコルの酒婦おかみはどうだかな」
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)