おかみ)” の例文
「織江と申す女この二階に、監禁されて責め折檻せっかん、憐れと覚し召し、おかみへお知らせ、なにとぞお助けくださりませ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところがここに粋なことが起こった。何かというに剽軽者ひょうきんものの火事で、二軒の屋敷を焼いてしまった。得たりとそいつへつけ込んだのが、忍侯の松平正敏様で、屋敷地をおかみへ返上したものさ。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして、大仕事をすると、おかみの探索の眼をくらますため、一時組を解散し、自分は今の屋敷へ帰って来、真面目な郷士、飯塚薪左衛門として、穏しく生活したことなども思い出されて来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)