“あるじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アルジ
語句割合
主人54.9%
37.5%
主婦3.6%
女主1.4%
主翁0.6%
亭主0.4%
主僧0.2%
主君0.2%
主長0.2%
女主人0.2%
(他:4)0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頼家 いや、なおかさねて主人あるじに所望がある。この娘を予が手もとに召しつかいとう存ずるが、奉公さする心はないか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし、主人あるじは居るか居ないか分らないほどヒッソリとして、どうかすると表の門まで閉めたままにして置くことも有った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
朝から大釜おおがまには湯がたぎって、あるじらしい男が、大きなのべ板にうどん粉をなすって、せっせと玉を伸ばしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
——彼の身を寄せている廻船問屋のあるじ、小林太郎左衛門は、浜納屋はまなやの露地づたいに、店頭みせさきへ姿を見せ、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんなことで幾日かを夢のように送っているうちに、主婦あるじのおきつが何処からか聞いて来て、江戸城の天狗の一件を話した。
大勢の出て行ったあと、火鉢の傍で、母親は主婦あるじが手きびしくやり込めるように言った一ト言を、いつまでも考えていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
帳塲ちやうば女主あるじもかけして唯今たゞいまありがたうと同音どうおん御禮おれい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女主あるじづからなべ茶椀ちやわんむしぐらいはなるも道理ことわり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私どももこれから下女を連れて参る筈、留守は主翁あるじが致しまする。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
こはこれ、公園地内に六勝亭ろくしょうていと呼べる席貸せきがしにて、主翁あるじは富裕の隠居なれば、けっこう数寄すきを尽くして、営業のかたわらその老いを楽しむところなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なに、すぐあがります。だけど今時分の夕立なんて、よっぽど気まぐれだ。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「かわいそうに。養育院へでもはいればいい。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
主僧凶夢を苦に病む 私の泊った主僧あるじは何かこの間から続けてわるい夢を見たというので大いに恐れて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一行の者はあすこがすなわち当大寺の主僧あるじであるサッキャア・コマ・リンボチェという方の居られる所であるから逢いに行かねばならんという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そのうち、一国一城の主君あるじである大頭株に介在して、身分は単に一旗本に過ぎないのだが、ふだんから一もくも二目も置かれて破格の扱いを受けているのがこの大岡越前である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これさ/\、こゝの主長あるじ乃公おれではいか? おぬしか? さゝゝ。
襖開き、武男が電報をとりて見、小間使いが女主人あるじの一げいに会いて半ば消え入りつつそこそこに去りしまで、わずか二分ばかりの間——ながら、この瞬間に二人ふたりが間の熱ややくだりて、しばらくは母子おやこともに黙然もくねんと相対しつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ツカツカと屏風のほうへ行こうとする。半九郎が停めた。家主あるじの責任というとこだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
再び叔父の家を東道あるじとするように成ッたからまず一安心と、それより手を替え品を替え種々さまざまにして仕官の口を探すが、さて探すとなると無いもので
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女が手伝って掃除そうじすると、まめやかな男主あるじは、手製のおしるこを彼女にと進めたりした。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
『詩経』に「膏沐こうもく無からん、誰をあるじとして容をつくらん」とか申す二句、かつて何心なく読みおり候所、後に曹大家そうたいこ『女誡』専心の篇を見候えば、上下の文ありて、中に「出でては冶容やよう無く、入りては飾を廃すること無し……これ則ち心を専らにして色を正すと謂う」とあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)