“あるじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アルジ
語句割合
主人54.8%
37.2%
主婦3.3%
女主1.5%
主翁0.6%
家主0.6%
亭主0.4%
主僧0.2%
主君0.2%
主長0.2%
女主人0.2%
恭助0.2%
東道0.2%
男主0.2%
荘主0.2%
0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——これは、翌日、大笹の宿で、主人あるじを呼んで、それから聞いた事をある処は補いましたし、……のちとはいわず、私が見た事も交りました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その挙動がほど不思議に見えたのであろう、主人あるじは私の顔をジロジロて、「あなた、どうかましたか」私はなかばは夢中で
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女は夜更けてから梯子をさして、そっと二階のあるじの部屋の戸をたたいたが、やはり入ることが出来ずに、外から悪体をいて帰って来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ところでそのあるじは始終インド辺へ行商に来て英語の綴り位解る人でございますから、私は日本の外務省から貰うて参りました旅行券を示しました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
立上る機勢はずみにドサリと落ちたから番頭はこゝぞと思って右の巾着を主婦あるじの前へ突付けたり、鳶頭かしらにも見せたりして居丈高いたけだかになり
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
き余るびんうずたかい中に、端然として真向まむきの、またたきもしない鋭い顔は、まさしく薬屋の主婦あるじである。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
幸い其のうちにお浦は人心地に復った、此の上は捨て置いても自分で回復するだろう、余は斯う見て取ったから「今誰か介抱する者を寄越します」と言い捨てて此の室を出で、此の家の女主あるじを呼び、一応介抱の事を言い附けて戸表おもてへ出た
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
眼と鼻の間に建った新しい修験の道場で、女主あるじの梅仙女と言うのが、江戸中の人気を集めて居りますが、江柄三十郎、そんなものには用事も無かったので、今までは振り仰いで、軒のいらかを見ようともしなかったのです。
主翁あるじは太田彦平とて、程遠からぬ役所の勤め。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
明くるを待ちて主翁あるじに会し、就きて昨夜の奇怪を問われよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家主あるじ壮夫わかもの三五人をともなひ来りて光る物をうつに石なり、皆もつてくわいとし石を竹林に捨つ、その石夜毎よごとに光りあり、村人おそれて夜行ものなし。
「かわいそうに。養育院へでもはいればいい。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「なに、すぐあがります。だけど今時分の夕立なんて、よっぽど気まぐれだ。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
主僧凶夢を苦に病む 私の泊った主僧あるじは何かこの間から続けてわるい夢を見たというので大いに恐れて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そのうち、一国一城の主君あるじである大頭株に介在して、身分は単に一旗本に過ぎないのだが、ふだんから一もくも二目も置かれて破格の扱いを受けているのがこの大岡越前である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これさ/\、こゝの主長あるじ乃公おれではいか? おぬしか? さゝゝ。
襖開き、武男が電報をとりて見、小間使いが女主人あるじの一げいに会いて半ば消え入りつつそこそこに去りしまで、わずか二分ばかりの間——ながら、この瞬間に二人ふたりが間の熱ややくだりて、しばらくは母子おやこともに黙然もくねんと相対しつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
恭助あるじいたつかれて禮服れいふくぬぎもへずよこるを
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
再び叔父の家を東道あるじとするように成ッたからまず一安心と、それより手を替え品を替え種々さまざまにして仕官の口を探すが、さて探すとなると無いもので
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女が手伝って掃除そうじすると、まめやかな男主あるじは、手製のおしるこを彼女にと進めたりした。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
湯浴ゆあみ、食事なども、終ってから、王進は、荘主あるじ太公たいこうに会った。頭巾ずきんをかぶり、白髯はくぜんは膝にたれ、道服に似たものを着、柔かそうな革靴かわぐつをはいている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『詩経』に「膏沐こうもく無からん、誰をあるじとして容をつくらん」とか申す二句、かつて何心なく読みおり候所、後に曹大家そうたいこ『女誡』専心の篇を見候えば、上下の文ありて、中に「出でては冶容やよう無く、入りては飾を廃すること無し……これ則ち心を専らにして色を正すと謂う」とあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)