亭主あるじ)” の例文
押開おしひらき御免なされと此家の亭主あるじ長兵衞は入來いりきたり只今彼方かなたにて御樣子を伺ひまこと御志操おこゝろざしを感じ候なりさりながらお三人のお旅籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「なに、すぐあがります。だけど今時分の夕立なんて、よっぽど気まぐれだ。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
亭主あるじの勘右衛門は留守であったが、女房と娘が出て見ると、二十六七の如何いかにも温厚そうな眉目清秀の青年僧で、べつに怪しいところもないので、むさくるしい処でもおいといなくばと云って泊めた。
風呂供養の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「一本つけよう。やっぱりこれでないと元気がつかない。だいはいつでもいいからったほうがよかろう。」と亭主あるじは文公がなんとも返事せぬうちに白馬どぶろくを一本つけた。するとかどばった顔の男が
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「かわいそうに。養育院へでもはいればいい。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)