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あるじ
ふりがな文庫
“
主婦
(
あるじ
)” の例文
父親が自分でつけた酒をちびちびやりながら、荒い声が少し静まりかけると、
主婦
(
あるじ
)
がまた母親を
煽動
(
けしか
)
けるようにして、傍から口を添えた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
こんなことで幾日かを夢のように送っているうちに、
主婦
(
あるじ
)
のおきつが何処からか聞いて来て、江戸城の天狗の一件を話した。
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今宵
(
こよい
)
は月がよく
冴
(
さ
)
えている。
主婦
(
あるじ
)
のお徳は庭へ出て
砧
(
きぬた
)
を打っていると、机竜之助は縁に腰をかけてその音を聞いています。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
主婦
(
あるじ
)
のお利代は盥を門口に持出して、
先刻
(
さつき
)
からパチャ/\と洗濯の音をさしてゐる。智惠子は白い
布
(
きれ
)
を膝に披げて、餘念もなく針を動かしてゐた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主婦
(
あるじ
)
は酒癖の悪い爺さんが、やがて段々酔つて来て、言はないでも好いことを隣の老人に言ひ
懸
(
か
)
けてゐるのを聞いた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
これを懐へ入れて置いたのが、立上る
機勢
(
はずみ
)
にドサリと落ちたから番頭はこゝぞと思って右の巾着を
主婦
(
あるじ
)
の前へ突付けたり、
鳶頭
(
かしら
)
にも見せたりして
居丈高
(
いたけだか
)
になり
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『あゝ
餘
(
あま
)
りに哀れなる物語に、
法體
(
ほつたい
)
にも恥ぢず、思はず落涙に及びたり。
主婦
(
あるじ
)
が
言
(
ことば
)
に從ひ、愚僧は之れより其の戀塚とやらに立寄りて、暫し
𢌞向
(
ゑかう
)
の杖を
停
(
とど
)
めん』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
私は知らず/\
隣
(
となり
)
店の方へ首を
伸
(
のば
)
し、
頻
(
しき
)
りにそちらへ気をとられて居るのを見て、仕立家の
主婦
(
あるじ
)
が
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
ほとんど
人心地
(
ひとごこち
)
あらざるまでに恐怖したりし
主婦
(
あるじ
)
は、このときようよう渠の害心あらざるを知るより、いくぶんか心落ちいつつ、はじめて賊の姿をば認め得たりしなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
烏森は新春野屋の長火鉢を中に、対座したる
主婦
(
あるじ
)
のお六と
芸妓
(
げいしや
)
の花吉
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
箸とりて
笑
(
ゑ
)
らぐ赤ら
頬
(
ほ
)
、
夕餉
(
ゆふげ
)
盛
(
も
)
る
主婦
(
あるじ
)
、家の子
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「そんなことしちゃよくないわの。向うも心配しているだろうに。」と、
主婦
(
あるじ
)
は
煙管
(
きせる
)
を下におくと、台所の方へ立って行った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
格子にならんだ台所で、三十三四の女が今夜のたなばたに供えるらしい
素麺
(
そうめん
)
を冷やしていた。半七は近よって声をかけると、かれは
主婦
(
あるじ
)
のお豊であった。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
隣室からは、床に就いて三月にもなる
老女
(
としより
)
の、幽かな呻声が聞える。
主婦
(
あるじ
)
のお利代は、
盥
(
たらひ
)
を門口に持出して、
先刻
(
さきほど
)
からバチヤ/\と洗濯の音をさしてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
解
(
と
)
き余る
鬢
(
びん
)
の
堆
(
うずたか
)
い中に、端然として
真向
(
まむき
)
の、
瞬
(
またた
)
きもしない鋭い顔は、
正
(
まさ
)
しく薬屋の
主婦
(
あるじ
)
である。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隣の老人が
舳先
(
へさき
)
の方に行つた跡で、
主婦
(
あるじ
)
は
老爺
(
らうや
)
に小声で言つた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
また思ふ、
柑子
(
かうじ
)
の
店
(
たな
)
の
愛想
(
あいそ
)
よき
肥満
(
こえ
)
たる
主婦
(
あるじ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
主婦
(
あるじ
)
はランプの蔭で、ほどきものをしながら
齲歯
(
むしば
)
を気にしている母親を小突いた。お庄は火鉢の傍で、
宵
(
よい
)
の口から主婦の肩をたたいていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夫が旅行で
多日
(
しばらく
)
留守、この時こそと思っても、あとを預っている
主婦
(
あるじ
)
ならなおの事、
実家
(
さと
)
の手前も、旅をかけては出憎いから、そこで、
盲目
(
めくら
)
の娘をかこつけに、籠を抜けた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その隣りは
主婦
(
あるじ
)
の居間であった。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
少
(
わか
)
い
主婦
(
あるじ
)
の
懐中
(
ふところ
)
へ入るようで、
心咎
(
こころとがめ
)
がしてならないので、しばらく考えていましたがね。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何ですッて、」と蝶吉は目を据えて立ったまま、
主婦
(
あるじ
)
が
方
(
かた
)
に向直って
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“主婦”の意味
《名詞》
主 婦(しゅふ)
家事を主な仕事とする妻。
(出典:Wiktionary)
“主婦”の解説
主婦(しゅふ、英:housewifeこの表現は現在では古い上に良いイメージの言葉ではなく、「家庭に隷属的な女性」というイメージを持つ言葉となっている。あるいはhomemaker)は、一般に家事・育児を主にする既婚(もしくは内縁)の女性をいう。
(出典:Wikipedia)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“主”で始まる語句
主
主人
主家
主水
主翁
主従
主題
主君
主税
主計