“実家”のいろいろな読み方と例文
旧字:實家
読み方割合
さと68.6%
うち15.7%
じっか3.9%
じつか2.9%
おさと2.9%
いえ2.0%
やど2.0%
さとかた1.0%
サト1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうど女房と子供が、実家さと餅搗もちつきの加勢にとるけに、この店をば慾しがっとる奴の処へて委任状と引換えに五十両貰うて来た。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
看護婦としての手腕はチャント認められているんだし、実家うちが裕福だろうが貧乏だろうが看護婦としての資格や信用には無関係だろう。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぞくかみ申子もうしごよわいなどともうしますが、けっしてそのようなものではなく、この立派りっぱ成人せいじんして、父親ちちおや実家じっかあとぎました。
あに一人ひとりあつたが戦地せんちおくられるともなく病気びやうきたふれ、ちゝ空襲くうしふとき焼死せうしして一全滅ぜんめつした始末しまつに、道子みちこ松戸まつど田舎ゐなか農業のうげふをしてゐる母親はゝおや実家じつかはゝともにつれられてつたが
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
そんなに、実家おさとを恋しがらなくてもいゝよ。親一人子一人のお父様に別れるのは淋しいだらう。が、何も心配することはないよ。わしを恐がらなくつてもいゝよ。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
それではたまらぬと、そこで兄藤次郎にはすまぬと影に手を合わせながら、わざと種々の放埓ほうらつに兄を怒らせて、こうして実家いえへもよりつかずに繋累けいるいを断った栄三郎ではないか。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
身をいとしんで、珠の御子みこを産めと、彼女は実家やどへさげられた。すると或る日、兄の行房が来て、ひそかに妹へ「おろしたがよい」とすすめた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
懐に金を入れて出たまま行衛ゆくえ不明になって、幼子と後妻だけが残ったのを、家を売った金や残りのものと一緒に実家さとかたの兄、テンコツさんの近くへいっていた。
楊桃ヤマモモは枝ながら実家サトのおみやげに
行乞記:07 伊佐行乞 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)