旧字:實家
看護婦としての手腕はチャント認められているんだし、実家が裕福だろうが貧乏だろうが看護婦としての資格や信用には無関係だろう。
Nは、いつか僕の実家に滞在するよりは反つて、キヤンプの方が自分にとつては便利だなどと云つたことがあるが、此処は、これでも靴を
「さあ、言って下さい、お前さんが、もしお金が欲しいなら、わたしの実家へ行って、いくらでもお金を上げるから、あの人の居所を教えて下さい」
「——じゃお嬢さん、私が口添えいたしますから、とにかくお吉と一緒に、川長の実家へお戻りなさいましな」
「だろう、それ御覧。こちらからはもう何も言い出せはしまい。だが、実を言うと、この前、僕が先生の実家で会ったときから見ると、先生はまた変っているな」