“公然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもてむき25.0%
こうぜん22.2%
おおぴら16.7%
おおっぴら8.3%
おおびら8.3%
おほぴら8.3%
おおやけ2.8%
おつぴら2.8%
おほびら2.8%
けんたい2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
就中なかんづく、将棋と腕相撲が公然おもてむきの自慢で、実際、誰にも負けなかつた。博奕は近郷での大関株、土地ところよりも隣村に乾分こぶんが多かつたさうな。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
與力よりきなかでも、盜賊方たうぞくがた地方ぢかたとは、實入みいりがおほいといふことを、公然こうぜん祕密ひみつにしてゐるだけあつて、よそほひでもまた一際ひときは目立めだつて美々びゝしかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
彼は、自分の結婚に対して非難攻撃が高くなればなるほど、反抗的に公然おおぴらに華美に豪奢ごうしゃに、式を挙げようと決心していた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
人いきれと酒の香と、汗の匂いと髪の毛の匂い、ジャラジャラと音を立てるのは、公然おおっぴら賭博ばくちをするらしい。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わたしの身にしては七苦八苦の騒ぎです。何しろその時分は丸次の家の厄介になっていた身ですから、公然おおびら余所よそへ泊るわけには行きません。
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼は、自分の結婚に対して非難攻撃が高くなればなるほど、反抗的に公然おほぴらに華美に豪奢に、式を挙げようと決心してゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
あからさまによめ入らんかたぞしかるべき。泰西諸国せいようくにぐににては。公然おおやけに再縁してはじざるときくものを。何をくるしみてか。松ならぬ木を松めかして。時ならぬ寄生木やどりぎい出でけん折。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
それに監獄へ入つて道徳を覚えて来たと自慢さへする者のある世の中だ、かういふ事は公然おつぴらに言つて貰ひ度い位のものだ。
「全くですわ。どうせ貴女あなたにしれたからは、私も公然おほびらに子供をつれて、是からちよく/\伺ひますなんて、私も腹が立ちました。」
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
とうてい公然けんたいに申されんはずかしかことですばッてん、今迄は誰にも申したことがござりませんでしたけンが、かくなる上は何事も明瞭ささくりと申上げまッしょう。……今から八年前のことでございました。