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公然
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おもてむき
ふりがな文庫
“
公然
(
おもてむき
)” の例文
就中
(
なかんづく
)
、将棋と腕相撲が
公然
(
おもてむき
)
の自慢で、実際、誰にも負けなかつた。博奕は近郷での大関株、
土地
(
ところ
)
よりも隣村に
乾分
(
こぶん
)
が多かつたさうな。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
替はりを拵え、
公然
(
おもてむき
)
、暇とるまでは、奥様の肝癪玉を、正月の、餅花位に思ふてゐよう。それにしても、吉蔵だけは、よい事をしやるじやないか。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「だって、
公然
(
おもてむき
)
、仲に立って世話でもする人はなかったの? お
母
(
っか
)
さんが付いて居ながら、大事な娘の身で、そんな、もう細君のある男の処へ行くなんて。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
何うしても一旦
廉
(
かど
)
なく
公然
(
おもてむき
)
離縁をするンじゃに依って、
此者
(
これ
)
が
実兄
(
あに
)
深川佐賀町の
岩延
(
いわのべ
)
という者の
処
(
ところ
)
へ、千円の持参金に箪笥長持衣類手道具
等
(
とう
)
残らず附けて帰さなければ成らん
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
他のものが
真似
(
まね
)
でもすれば大変なことになってしまう、併し善兵衛老人も自業自得だ、娘といって、義理だがその財産を消費した
以上
(
うえ
)
は
公然
(
おもてむき
)
にも出来ない上に大変損な立場にある
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
▼ もっと見る
二十八になるまでには
公然
(
おもてむき
)
の妻も一度は持ちましたが半年も続かず、女の方から逃げてしまいました。しかしその妻も私が本郷に下宿しておるうちにそこの娘とできやったのでございます。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
図らずも蘆屋の釜
並
(
ならび
)
に山風の笛が手に
入
(
い
)
りましたから、早速右
二品
(
ふたしな
)
を渡邊外記という金森家の重役へ預け、
仇討
(
あだうち
)
の免状を殿様より頂戴致しまして、
公然
(
おもてむき
)
仇討に出立致しまして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
公然
(
おもてむき
)
の営業は
罷
(
や
)
めて、牛込は神楽坂裏の、或る閑静な所に移つて素人下宿をやるといふ事になつて、五十人近い
止宿人
(
おきやく
)
の中、願はれて、又願つて、一緒に移つたのが八人あつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『すぐ
公然
(
おもてむき
)
の女房になされ』
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
これを買って
店頭
(
みせさき
)
で
公然
(
おもてむき
)
に致しておりましても、
楽
(
たのし
)
みを妨げる訳はないから、少しもお
咎
(
とが
)
めはない事で、隠れて致し、金を
賭
(
か
)
けて大きな事をなさり、金は沢山あるが退屈で仕方がない
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
残念だって女の首筋へ手を掛けて抱締めた
処
(
とこ
)
へ僕が帰って来て、障子を開けたればこそ離れたのであろうが、
然
(
そ
)
う云う事を云って何処までも情を張れば、止むを得ず
公然
(
おもてむき
)
にするばかりだ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だから
実家
(
うち
)
へ這入る事も出来ないで斯んな
裏家住居
(
うらやずまい
)
の所へ人を入れて、
妾
(
てかけ
)
と云っても
公然
(
おもてむき
)
届けた訳でもなし、碌なものも着せず、いまに時節が来ると
本妻
(
つま
)
にすると私を
騙
(
だま
)
かして置くじゃアないか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
公
常用漢字
小2
部首:⼋
4画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“公然”で始まる語句
公然刑罰
公然堂々