“田舎”のいろいろな読み方と例文
旧字:田舍
読み方割合
いなか89.8%
ゐなか8.8%
でんしゃ0.4%
くに0.2%
ざえ0.2%
どさ0.2%
ひな0.2%
ドサ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
反応を要求しない親切ならば受けてもそれほど恐ろしくないが、田舎(いなか)の人の質樸(しつぼく)さと正直さはそのような投げやりな事は許容しない。
田園雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
広々(ひろ/″\)した構(かま)への外には大きな庭石(にはいし)を据並(すゑなら)べた植木屋(うゑきや)もあれば、いかにも田舎(ゐなか)らしい茅葺(かやぶき)の人家(じんか)のまばらに立ちつゞいてゐる処(ところ)もある。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あるいは田舎(でんしゃ)の風光、山村の景色等自己の実見せし者(かつ古人の画題に入らざりし者)を捉(とら)へ来りて、支那的空想に耽(ふけ)りたる絵画界に一生面を開かんと企てたり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
多分喀血に吃驚して田舎(くに)の父母を呼んだのであらう。その面会人が病人の父母であることは一見しただけで明かである。
続重病室日誌 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
「やっぱり、田舎(ざえ)の方が宜(よ)がすかな?」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
上海へんの田舎(どさ)廻りの寄席芸人を集めた一座を、ニューヨークの大ジーグフェルドに次ぐ世界的大レヴュウ団にこしらえ上げたのはこの二人の仕業。あたかも今日が日本座におけるその初日なので。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
竿竹売の田舎(ひな)びた太い声に驚かされて、犬の子は吠え、日に曝した雨傘のかげからは雀がぱっと飛び立つなど
巷の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
実は上海から香港の間で駆り集めた田舎(ドサ)廻りの寄席芸人の一団で、中には昨日まで大馬路(タマロ)の闇に咲いていたなどという劇しいのもいた。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)