“蟋蟀”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こおろぎ55.1%
こほろぎ19.9%
きりぎりす17.6%
きり/″\す2.9%
いとど0.7%
きりざりす0.7%
こうろぎ0.7%
しっしゅつ0.7%
イトド0.7%
コホロギ0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“蟋蟀”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語17.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.1%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
320x100
松村及び料理番と石油ランプを二つ持って、例の洞窟を訪れ、ランプの光で洞窟蟋蟀こおろぎその他の昆虫をかなり沢山採集した。
蟋蟀こおろぎ、みみず、陰湿いんしつな虫が昼間でもチチといている牢露地をぬけると、塀際の隅に、低い、石倉がある。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何が失敬か」三井氏は蟋蟀こほろぎのやうに物蔭から飛び出して来た。蟋蟀もいくらか過したと見えて、酒臭い息をついて居た。
数時間の後、ランプの消えた部屋の中には、唯かすかな蟋蟀こほろぎの声が、寝台を洩れる二人の寝息に、寂しい秋意を加へてゐた。
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
蟋蟀きりぎりすのように、カサリと、草の中にかがみ込んで見ていると、静かに、雪駄せったる足音が近づいて来る。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ、所々丹塗にぬりげた、大きな円柱まるばしらに、蟋蟀きりぎりすが一匹とまっている。
羅生門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
唯、所々丹塗にぬりの剥げた、大きな圓柱まるばしらに、蟋蟀きり/″\すが一匹とまつてゐる。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
丹塗にぬりの柱にとまつてゐた蟋蟀きり/″\すも、もうどこかへ行つてしまつた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
蟋蟀いとどならばひとり鳴きてもありぬべしひとり鳴きても夜は明けぬべし
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
柳屋のお夏さんとはいわないで、お夏さんの柳屋、お夏さんの柳屋ッて、花がるたを買いに来まさ。何だ畜生、上野の下あたりに潜ってやあがって、歌読もすさまじい、糸瓜へちまとも思うんじゃあねえ。茄子なすを食ってる蟋蟀きりざりす野郎の癖に、百文なみに扱いやあがって、お姫様を煽げ、べらぼうめ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路ばたの草叢では蟋蟀こうろぎが鳴き始めていた。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
それから医者をかえて、さらに有名な大先生にかかったが、こんどは、蘆の根や、三年霜に打たれた甘蔗のかわりに、蟋蟀しっしゅつ一つがい、平地木十株、敗鼓皮丸はいこひがんなどという不思議なものが必要だった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
いつも自分の目先にちらついているものは、少年の頃、三春秋、父の病気をなおそうとして質屋の店台と薬屋の店台の間を毎日のように往復し、名医と称せられる詐欺師の言を信じて、平地木やら原配の蟋蟀しっしゅつやらをうろうろ捜し廻っている自分の悲惨な姿であった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
蜑が家は 小蝦にまじる蟋蟀イトドかな
日本美 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もう外の叢で鳴き出した、蟋蟀コホロギの声を、瞬間思ひ浮べて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
蟋蟀コホロギは、昼も苑一面に鳴くやうになつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)