蟋蟀コホロギ)” の例文
百部は、ハヤくに写し果した。その後は、千部手写の発願をした。冬は春になり、夏山と繁つた春日山も、既に黄葉モミヂして、其がもう散りはじめた。蟋蟀コホロギは、昼も苑一面に鳴くやうになつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もう外の叢で鳴き出した、蟋蟀コホロギの声を、瞬間思ひ浮べて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)