“こおろぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蟋蟀83.7%
11.5%
竈馬1.9%
促織1.0%
寒蛬1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁の中で鳴くといわれて人間の居場所に最も近く鳴くものになっている蟋蟀こおろぎでさえも源氏は遠くの声だけしか聞いていなかったが
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わたくしがその年の秋に初めて鳴出すこおろぎの声をききつけるのは、大抵こういう思いがけない瞬間からである。
虫の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「紀州紀州」竈馬こおろぎのふつづかにくあるのみ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
みん宣宗せんそうの宣徳年間には、宮中で促織こおろぎあわせの遊戯を盛んにやったので、毎年民間から献上さしたが、この促繊はもとは西の方の国にはいないものであった。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ぐったりとなって心配している成の耳に、その時不意に門の外で鳴く促織こおろぎの声が聞えて来た。成はびっくりして起きて見にいった。虫はまだ鳴いていた。成は喜んで手を持っていった。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
おまけに先月あらいざらい何もかも無くしてしまってからあ、寒蛬こおろぎの悪くきやあがるのに、よじりもじりのその絞衣しぼり一つにしたッぱなしで、小遣銭こづけえぜにも置いて行かずに昨夜ゆうべまで六日むいか七日なのか帰りゃあせず
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昼間でも台所の部屋などは、ゴソゴソと穴蔵こおろぎが幾つも飛んでいた。与一が出発して九日になる。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)