“小遣銭”のいろいろな読み方と例文
旧字:小遣錢
読み方割合
こづかいせん75.0%
こづかひせん10.7%
こづかい7.1%
こづかいぜに3.6%
こづけえぜに3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧乏咄をして小遣銭こづかいせんにも困るような泣言なきごとを能くいっていても、いつでもゾロリとした常綺羅じょうきらで、困ってるような気振けぶりは少しもなかった。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
わかぎはに父は、舎費を三ヶ月分納めたので、先刻さつき渡した小遣銭こづかひせんを半分ほどこつちに寄越よこせ、宿屋の払ひが不足するからと言つた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
別に女を喰物くいものにしようという悪い腹は微塵もないんですから、逃す時にも当座の小遣銭こづかい、それから往復の旅費、此方こっちへ呼もどしてから、本所石原町いしはらちょうに知っている者があったので
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
親方から貰う小遣銭こづかいぜにはいうまでもなく、駄菓子でも焼薯やきいもでもしまって置いて、仕事場のすきを見て必ずお母のところへ持ってまいりましたから、清兵衞親方も感心して
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おまけに先月あらいざらい何もかも無くしてしまってからあ、寒蛬こおろぎの悪くきやあがるのに、よじりもじりのその絞衣しぼり一つにしたッぱなしで、小遣銭こづけえぜにも置いて行かずに昨夜ゆうべまで六日むいか七日なのか帰りゃあせず
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)