“こづかい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小遣63.4%
小使22.3%
小費5.4%
杖頭2.7%
小遣銭1.8%
使丁0.9%
僮僕0.9%
小使銭0.9%
小厠0.9%
廷丁0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おい二郎、また御母さんに小遣こづかいでも強請せびってるんだろう。お綱、お前みたように、そうむやみに二郎の口車に乗っちゃいけないよ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何用あって婦人のいることか、その理由もちょっと解し難かったから、僕は小使こづかいに代って、この婦人に向い、その用をただして
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「そうだ、梅賀ばいがの家へ行って、お袖の小費こづかいをゆたぶッてやろう。市の字を連れて来てやるといやあ、質をおいても、三両や五両は——」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、立場たてばに往ったところでが明けた。が明けると女は着がえの一枚も持っていないことに気がいた。女は衣服きもの杖頭こづかいって来ると云って石川を待たしておいて引返した。
唖娘 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小遣銭こづかいを持たない庄吉がいつも買いに走らせられた。
少年の死 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そして、その青年は厮役しえきの賤を給し升斗しょうとの糧を謀ったというから、使丁こづかいか雑役夫位の給料をもらって、やっと生活していたものと見える。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夜が更けて僮僕こづかいなどがいなくなると、ただ一人でぶらぶらしているが、何も気をまぎらすものがないのでつまらなくて仕方がなかった。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
宵夜中よいよなか小使銭こづかい貸せの破落戸漢ならずものに踏み込まれたり、苦労にとしよりもけた岩公の阿母おふくろが、孫の赤坊を負って、草履をはいて小走りに送って来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これより小厠こづかいを一にん使用するの必要は無論感ずる所なりしといえども、しいてこれをともなわんとすれば、非常に高き賃金を要し、またたまたま自ら進んで
いってみりゃア世の中の裏ッ側みたいなとこでしてね……いろんな罪人ざいにんばっかり、落ちあつまる……そんなとこで、二十年も廷丁こづかいなんぞ勤めていりゃア、さだめし面白い話ばかり
あやつり裁判 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)