“破落戸漢”の読み方と例文
読み方割合
ならずもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宵夜中よいよなか小使銭こづかい貸せの破落戸漢ならずものに踏み込まれたり、苦労にとしよりもけた岩公の阿母おふくろが、孫の赤坊を負って、草履をはいて小走りに送って来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
中田屋の亭主の死は果して牡丹餅の中毒であるかどうか、それは解き難い疑問であるが、少くもそれから糸を引いて、千鳥の女房お兼と破落戸漢ならずものの虎七とが変死を遂げたのは事実であった。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
墓地の向う隣に、今は潰れたが、其頃博徒のがあって、破落戸漢ならずものが多く出入した。一夜家をあけてあくる夕帰った彼は、雨戸の外に「今晩は」と、ざれた男の声を聞いた。「今晩は」と彼が答えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)