“ならずもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無頼漢45.9%
破落戸18.9%
無頼者13.5%
破戸漢4.1%
破落戸漢2.7%
不頼漢2.7%
破落漢2.7%
落破戸2.7%
乱暴漢1.4%
悪棍1.4%
無落戸漢1.4%
無頼物1.4%
破落者1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お前もおいで! 度胸がある。見せて置いてもいいだろう。……紹介ひきあわせて置こう、変った奴らを。無頼漢ならずものどもだがためにもなる奴らだ」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは震災ぜん新橋の芸者家に出入していたと云う車夫が今は一見して人殺しでもしたことのありそうな、人相と風体ふうていの悪い破落戸ならずものになって、折節おりふし尾張町辺を徘徊はいかい
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
無頼者ならずものの一隊は、早くも駕籠を奪ってそのままに、神輿みこしを担ぐように大勢してかつぎ上げたようです。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
破戸漢ならずものに擲られて居てもうれしいし、まるでうれしいことの病み付きでは無いかと思ふ程、生命の歓喜に酔うて居た。
中田屋の亭主の死は果して牡丹餅の中毒であるかどうか、それは解き難い疑問であるが、少くもそれから糸を引いて、千鳥の女房お兼と破落戸漢ならずものの虎七とが変死を遂げたのは事実であった。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
不頼漢ならずものの頭、賭博宿の主人、どうやらそんな塩梅あんばいらしい。……何だか気味が悪いねえ、どれソロソロ帰るとしよう
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雲助や破落漢ならずもの啖呵たんかふるえてものにならなかったことも再三あるのを心得ていました。
とになし渡り求むる阿部川の此方の岸へつくふね飛乘とびの機會とたんうしろからヤレ待居まちをらう重五郎と追駈おつかけ來るは別人ならず江尻えじりの宿の落破戸ならずもの儀右衞門と云男なりいとも白妙が馴染客なじみきやくにて是迄多くの金銀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一瞥いちべつしつ「篠田の奴、実にしからん放蕩漢はうたうものだ、芸妓げいしや誘拐かどわかして妾にする如き乱暴漢ならずものが、耶蘇ヤソ信者などと澄まして居たのだから驚くぢやないか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
木の実と鮨屋の上三分一即ち弥左衛門の出までとの権太は純粋なる悪棍ならずものなれど、なほ親子の情愛を解せるものとし
仔細しさいもなしに喧嘩けんかを売る。おのれ等のような無落戸漢ならずものが八百八町にはびこればこそ、公方くぼう様お膝元ひざもとが騒がしいのだ」と、彼は向き直って相手の顔をにらんだ。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あんたは専念せんねん丹下にかかるがよい。お艶さんの話によると、たえず四、五人から十人の無頼物ならずものが屋敷に寝泊りしておるそうだが、じゃまが入れば何人でもわしが引き受けるから」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
體能ていよくゆすり取んと工夫くふうにこそは及びけれ此油屋五兵衞方の番頭久兵衞と云ふは元上總無宿の破落者ならずものなりしが其後東海道筋にて護摩灰ごまのはひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)