“やくざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤクザ
語句割合
無益19.0%
役雑14.3%
厄種9.5%
無能9.5%
不中用4.8%
厄挫4.8%
厄雑4.8%
土方4.8%
庸劣4.8%
斗筲4.8%
(他:4)18.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もと/\加茂の二葉葵には長い葉茎はぐきがくつ附いてゐるのだが、清康はそんな物は無益やくざだといつて摘み切つてしまつた。
政治家ほど無益やくざな者は無いが、その政治家をけたら、鼠ほど無益やくざな余計者は滅多にあるまい。
風体ふう、恰好、役雑やくざなものに名まで似た、因果小僧とも言いそうな這奴しゃつ六蔵は、そのふなばたに腰を掛けた、が、舌打して、
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょいちょいお出入をするもんですから、こんな役雑やくざものと口をお利きなさりますばッかりで、お嬢様
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫れが私は出來ませぬ、夫れかと言つて來るほどのお人に無愛想もなりがたく、可愛いの、いとしいの、見初ましたのと出鱈目のお世辭をも言はねばならず、數の中には眞にうけて此樣な厄種やくざを女房にと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それが私は出来ませぬ、それかと言つて来るほどのお人に無愛想もなりがたく、可愛いの、いとしいの、見初みそめましたのと出鱈目でたらめのお世辞をも言はねばならず、数の中にはにうけてこんな厄種やくざ女房にようぼにと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼女は自分の娘婿をつらまえて愚図だとも無能やくざだともいわない代りに、毎月彼の労力が産み出す収入の高を健三の前に並べて見せた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「でも比田のいるうちは、いくら病身でも無能やくざでもあたしが生きていてらないと困るからね」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おかしいが本当です。どうせ常識以下に飛び離れた経験をするくらいの僕だから、不中用やくざにゃあ違ないが本当です。——もっともあなた見たいに学のあるものが聞きゃあ全くうそのような話さね。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まあ/\、兄貴のことはもう勘弁してくれ。うせ厄挫やくざものさ。金を取られる上にお前から油を絞られちゃわしも立つ瀬がない。これからは万事誠意をもって相談するから機嫌を直しなさい」
或良人の惨敗 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と女というものは見す/\それでも、決してそれとは言わない。もっとも夫人の場合は厄挫やくざな兄の無心が当面の問題でなかった。常からある一般的不平が昨日の書面と今日の電報で刺戟されたのだった。
或良人の惨敗 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
お値段のお安い話ばかり致しますようでございますが、下駄の鼻緒なども昔は二足で三文でございました、それからこちらへ厄雑やくざのものを二足三文と申す事だそうです。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
心配しんぺいでなんねえ、おれも取る年なり、婆アさんも年を取っているし、子と云うものはお作べいで、あんな厄雑やくざな者だからわれを力に思って居るんだから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
御存じの通り、いまお上をお騒がせ申している野郎どもは、わたくしの身内でこそござんせんが、同じ筋をひく土方やくざ者、聞けばどうやら必死の様子で、機関銃さえも持っているという話。どういう訳柄があって、こういう騒ぎをするのか存じませんが、それに向って行けば必ずや十、二十の人死が出来る道理がございます。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「Despair じゃー無いが、シカシ君面白く無いじゃーないか。何等の不都合が有ッて我々共を追出したんだろう、また何等の取得が有ッてあんな庸劣やくざな奴ばかりをえらんで残したのだろう、その理由が聞いて見たいネ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私のような斗筲やくざな者は、例えば聖賢の遺書を読んでも、矢張やっぱり害を受けるかも知れん。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
是から行ったって泊めるとこもねえ小村こむらだから、水街道へ行かなけりゃア泊る旅籠屋はたごやはねえ、まアいやナ、江戸子えどっこなれば懐かしいや、己も本郷菊坂生れで、無懶やくざでぐずッかして居るが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
○「私の処へ無頼やくざ食客いそうろうを置いたばかりでう云う事に成ったんだが、決してお筆さんに其様そん理由わけはない不正金だというが」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕等は卑怯でみすぼらしく 生き甲斐もない無頼漢やくざであるが
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
「半五郎のような破落者やくざでも、わが子の心配には、あんな素直な人間になって、しおれ返って心配しているものを」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)