“這奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃつ63.6%
こいつ15.2%
しやつ12.1%
しゃ6.1%
こやつ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……ああ、これも皆聴水が、悪事のむくいなりと思へば、他を恨みん由あらねど。這奴しゃつなかりせば今宵もかく、罠目わなめの恥辱はうけまじきに
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
助十 這奴こいついよ/\呆れた奴だ。朝つぱらから酒を飮んでゐやあがつた癖に、急病人もよく出來た。あんまり人を馬鹿にするな。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ガサリなどゝおとをさして、びく俯向うつむけに引繰返ひきくりかへす、と這奴しやつにしてらるゝはまだしものことつたうを飜然ひらりねて、ざぶんとみづはいつてスイとおよぐ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
身を一室に潜めて、まずその来客をうかがえば、料らざりき紅顔の可憐児、二十歳はたちに満たざる美少ならんとは。這奴しゃ小冠者こかんじゃ何程の事あらん。さはあれ従者に勇士の相あり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お雪の姿を隠したは、この家の内に相違ないぞ、這奴こやつ! 小川山しょうせんざんの妖怪ござんなれと、右から左へ、左から右へ取って返して、小宮山はこの家の周囲まわりをぐるぐると廻ってうかがいましたが
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)