這奴しゃ)” の例文
身を一室に潜めて、まずその来客をうかがえば、料らざりき紅顔の可憐児、二十歳はたちに満たざる美少ならんとは。這奴しゃ小冠者こかんじゃ何程の事あらん。さはあれ従者に勇士の相あり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と一ツ叱って、客が這奴しゃ言おうでもたげたを、しゃくったあごで、無言だんまり圧着おしつけて
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)