這奴しやつ)” の例文
ガサリなどゝおとをさして、びく俯向うつむけに引繰返ひきくりかへす、と這奴しやつにしてらるゝはまだしものことつたうを飜然ひらりねて、ざぶんとみづはいつてスイとおよぐ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あのくちばし丹念たんねんに、這奴しやつむねはらのこりなくむしつて、赤裸あかはだかにしたところを、いきみをくれて、ぬぺらとして、葉隱はがくれに……へたばる人間にんげんをぎろりとにらんで、噴飯ふきだよし
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のち煬帝やうだい遼東れうとうむるとき梯子はしごつくりててき城中じやうちう瞰下みおろす。たかまさ十五丈じふごぢやう沈光ちんくわう尖端とつさきぢてぞくたゝかうて十數人じふすうにんる。城兵じやうへい這奴しやつにくきものの振舞ふるまひかなとて、競懸きそひかゝりてなかばより、梯子はしごくじく。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
這奴しやつしりくらはせ。」
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)