“毮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むし87.5%
9.7%
1.4%
0.7%
もぎ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしり破られることは言う迄もない。大抵の場合、衣類をことごとく毮り取られてついに立って歩けなくなった方が負と判定されるようである。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そして子供たちのお馴染になつてゐる旅館の娘さんが停車場までもつて来てくれた、木からぎ立ての水蜜桃を子供たちに食べさせた。
青い風 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
千登世は朝髮をく時ぬけ毛を束にして涙含み乍ら圭一郎に見せた。事實、彼女の髮は痛々しい程減つて、添へ毛して七三に撫でつけてむくげを引きしられた小鳥の肌のやうな隙間が見えた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
私の心はもうたつた一つの場所にばかり住んでゐて、らされてゐます——びた釘のやうに腐蝕してゐるのです。
リボンで帯につけていたエヷァーシャープを彼女は振り廻したのであったがそれが環のところからもぎれてどこへか行ってしまった。
未開な風景 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)