“む”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
28.4%
28.0%
10.6%
6.2%
5.2%
4.8%
4.4%
4.3%
1.8%
1.6%
(他:59)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一人ひとりかみの二三ずんびたあたまして、あしには草履ざうり穿いてゐる。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひと天窓あたまでゝやつたものを、業畜がふちく悪巫山戯わるふざけをして、キツ/\といて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おつぎは勘次かんじがさういはれるとき何時いつあかかほをして餘所よそいてしまふのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
京都きょうとのからすは関東かんとうのからすにかって、このごろみやこはなしをしました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それがれて、日にされるとき、地面からも、屋根からも、春の記憶を新にすべき湿気がむらむらと立ちのぼった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つまり紙の上に載っていた緑茶の精気が、紙を透した湯気ゆげされて、白湯の中に浸み込んでいるのだそうですが……。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
自分は胸きりの水中容易に進めないから、しぶきを全身に浴びつつ水にせて顔を正面まともに向けて進むことはできない。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
事実、なお中に踏み止まって、彼方此方かなたこなたと駆けている者は、時には煙にせ、時には火塵かじんをかぶっていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだいとけなくて伯母をばなる人に縫物ならひつる頃、衽先おくみさきつまなりなどづかしう言はれし。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
捨てたように置いてあって、たれがしたいたずらか、その中に五つつ、どろだらけの石ころが行儀よく積んである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あらたしきとしはじめおもふどちいれてればうれしくもあるか 〔巻十九・四二八四〕 道祖王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
葭簾囲よしずがこいの着ものぎ場にも、――そこには茶色の犬が一匹、こまかい羽虫はむしれを追いかけていた。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
張飛は、理論家でない。また計画家でもない。しゃ二、実行力に燃える猪突邁進家ちょとつまいしんかなのである。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしなら掘り出してみせる所じゃがのう。だが鉄砲ではないぞ。からをだ。くうなる夢土むどから世の中の実相をだ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と叫びながら私は起き上ろうとした。トタンに口の中の玉子酒にせ返りながらモウ一度、枕の上に引っくり返ってしまった。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ドアを押して入ると、ムッとせかえるような生臭なまぐさ暖気だんきが、真正面から帆村の鼻をおさえた。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
吉次はまた、かッぱららしい。社家はどこやらと、知らぬような事を云ったくせに、すたすた大股に彼方へ歩いてゆく。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
――けれど、宗易が、余りに平然とそれをいったので、気をのまれて、その嚇怒かくども、ひとみの底に、ッと見えただけだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
セルカークは、油脈探しオイル・ハンターの前身を見事きだして、ほとんど天文学数字にひとしい巨大な富を握ろうと……。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
哲学者狩野亨吉かうきち氏は今だに独身で居る。それを不思議がつてゐる或る男が、きつけに狩野氏に訊いた事があつた。
かれらは、そのいのちにきあい、それを奪いあうために生き、その日をあてに生きているのかも分らなかった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それで私はこの人の歌を読んでいる時には、作者とき合ってその声を聞いている時と全く同じ心持になる。
宇都野さんの歌 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし養父のその考えが、段々分明はっきりして来たとき、お島の心は、おのずから生みの親の家の方へいていった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
夏の半ば過ぎに、お銀たちの近くのある静かな町で、手ごろな家が一軒見つかったころには、二人の心はまた新しい世帯の方へいていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しゅさびしさ……新婚しんこんよろこぶというよりか、しろつらい運命うんめいに、仕方しかたなしに服従ふくじゅうしているとったような
然しこの間違つた、滑稽な、ぬえのやうな、故意こいになした奇妙の形式は、しろ言現いひあらはされた叙事よりも、内容の思想をなほ能く窺ひ知らしめるのである。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
胸突き八丁の登り口に近く、青い苔のした断崖からは、金性水きんせいすいと呼ぶ清泉が滾々こんこん瀑布たきのごとく谷間に流れ落ちている。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ゴロリと地上へ転がったのを見ると、苔のした岩であった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
韻文にはかぬから小説を書いてみようと思ふと云ふのが渠の癖で、或時其書かうとして居る小説の結構を竹山に話した事もあつた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
韻文にはかぬから小説を書いて見ようと思ふと云ふのがかれの癖で、或時其書かうとして居る小説の結構を竹山に話した事があつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼は大きい眼をきながら、瑠璃子の顔を、じっと見詰めていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼は大きい眼をきながら、瑠璃子の顔を、ぢつと見詰めてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
巫女 いやみ、つらみや、うらみ、腹立ち、おこったりの、泣きついたりの、口惜くやしがったり、しゃぶりついたり、胸倉むなぐらを取ったりの、それがなんになるものぞ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
は――武士の武……」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つき下坐敷したざしきへは何處どこやらの工塲こうばの一
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
或る夜の月にした坐敷へは何処やらの工場の一れ、どんぶりたたいて甚九じんくかつぽれの大騒ぎに大方の女子おなごは寄集まつて、例の二階の小坐敷には結城とお力の二人ぎりなり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「先生、昨夜の連中は毒瓦斯ガスにやられたそうです。症状からみると一酸化炭素の中毒らしいですが、どうも可哀想かわいそうなことをしました」と松ヶ谷学士は下をいた。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と云いかけ親父の顔を見て、恥かしそうに下をき真赤になりました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「よくいうてくれた。戦場に臨むからにはいつ討死を遂げるやもしれん。そなたともまた再会は期し難い。長春数旬の和楽、それも短い一になった」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは球突たまつきすこしやつた人のたれしも經驗けいけんする事で、よる電氣でんきして床にはひるとくら闇の中に赤白の四つのたまをのせた青い球台たまたいかんで來て、り方を中で空想くうそうしたりする。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
べなる哉、後ち明治四十五年(1912)に帝国学士院から恩賜賞ならびに賞金を授与せられる光栄を担った。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
名札を呉れろの家名は何だのと根掘り葉掘りするは、二度と来ない客か、来ても自腹を切らない客だと或老妓の言ったのは、この男の容子から考えて、べ経験のあることと信じられた。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
かりと いまだ聞かず。 (歌謠番號七三)
と 聞くや。 (歌謠番號七二)
湖は中禪寺湖より遙に小さいが、周圍の樹木の鬱々と茂つて、その枝も葉も今まさに水に入らんとするほど重げに撓々たわ/\に湖面に蔽ひかぶさつてゐるところや、藻の花が處々にれ咲いたり
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
山のなかの所どころにれ立っている竹藪。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
くくあごをわざと突き出したほど上をき、左の牙歯いときりば上唇うわくちびるんでいるので、高い美しい鼻は高慢らしくも見える。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平田は上をき眼をねむり、後眥めじりからは涙が頬へすじき、下唇したくちびるは噛まれ、上唇はふるえて、帯を引くだけの勇気もないのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
と云われ、伊之助はッとしていきなり扇で正孝の頭をピシャリ。
まだかさらんちゅうことだてば、判官様に、嫁様が来ただら、化けて来べえて、ハッハッハッ。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ここに山代の和訶羅わから一〇に到れる時に、その建波邇安の王、軍を興して、待ち遮り、おのもおのも河を中にはさみて、き立ちて相いどみき。
かれ逢坂あふさかに逃げ退きて、き立ちてまた戰ふ。
およそこの倭建の命、國けに〓りでましし時、久米くめあたへが祖、名は七拳脛つかはぎつね膳夫かしはでとして御伴仕へまつりき。
ひきしる鳩の毛の白いほめき?
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
昼のうちにれていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。歩いて行くのに従って、蛙が鳴きやみ、逆に後の方から順々に鳴き出した。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)