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対
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む
ふりがな文庫
“
対
(
む
)” の例文
旧字:
對
すると、講演の順番が彼にめぐって来た。彼はステージに出て、渦巻く聴衆の顔と
対
(
む
)
きあっていたが、緑色の幻は眼の前にチラついた。
永遠のみどり
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
勿論、顔もおりおりは湯舟の中でお洗いになって
対
(
む
)
き合っても、そんなことは一つも気にしないふうだったと、山本さんは言った。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
自己の前に置かれたるあらゆる生活の与件に
対
(
む
)
かって、まっすぐに、公けに、熱誠に働きかけ、
憧
(
あこが
)
れ、疑い、悩み、また
悦
(
よろこ
)
び、さまざまの体験を経て
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
それで私はこの人の歌を読んでいる時には、作者と
対
(
む
)
き合ってその声を聞いている時と全く同じ心持になる。
宇都野さんの歌
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
一日四杯と、二升とこっそり
対
(
む
)
き合っているこの朝の景色は、至極のどかだ。格子から見える山の上に一本高く楢の木が見えていて、そこへ群落して来た
鶸
(
ひわ
)
が澄んだ空に点点と留っている。
夜の靴:――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
私とは、何時間という間を
対
(
む
)
きあっていても、互いに言葉をかけあわないのはもちろんであったが、私の妻が話しかけることがあると彼は徹頭徹尾「いいえ」と「はい」とだけで押し通すのであった。
秋草の顆
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
リーダーを持ったまま、彼は
硝子窓
(
ガラスまど
)
の方へ注意を
対
(
む
)
けていた。ひょろひょろの
銀杏
(
いちょう
)
の
梢
(
こずえ
)
に黄金色の葉がヒラヒラしているのだ。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
かれらは、そのいのちに
対
(
む
)
きあい、それを奪いあうために生き、その日をあてに生きているのかも分らなかった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
落着のないクラスの生徒たちは、この風が吹きまくるとき、ことに騒々しかった。彼はときどき教壇の方から眼を運動場のはてにある遠い緑の
塊
(
かたま
)
りに
対
(
む
)
けていた。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
植木屋のいうとおりになって育ってきたものどもですよ、民さんのそんな言葉に
対
(
む
)
きあっている松は、なるほど、どれも、人に似ていた、人も人、はりつけになっているようなもの
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そう云いながら、彼はくるりと黒板の方へ
対
(
む
)
いて、今度は図示に
依
(
よ
)
って、実際的の説明に入った。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
“対”の解説
対(つい、たい)とは、2つ一組で存在するものの場合に、その2つを一組とする見方の元でそれを指していう表現で、それらが対をなすという。
(出典:Wikipedia)
対
常用漢字
小3
部首:⼨
7画
“対”を含む語句
相対
反対
対岸
応対
対手
対向
対照
対面
絶対
対句
対話
対方
正反対
対象
一対
対蹠
対蹠的
対坐
対立
敵対
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