“対向”のいろいろな読み方と例文
旧字:對向
読み方割合
さしむか62.5%
さしむかい12.5%
むかひあ8.3%
むこう8.3%
あた4.2%
むかい4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「怪我ぐらいはするだろうよ。……知己ちかづきでもない君のような別嬪べっぴんと、こんな処で対向さしむかいで話をするようなまわり合せじゃあ。……」
まだよくの言えば、おんとお孝と対向さしむかいで、一猪口ひとちょこる処をですだ、敷居の外からでもい、見ていたいものですだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも、四十分許り対向むかひあつてゐて、不図気が付いた様にして信吾はその家を辞した。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
こっちで、ひしと女に寄ろうとする、私の膝が石のようにしびれたと思うと、対向むこうで松の幹を、少年がずるずるとすべって落ちた。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを武器として大詐欺師に対向あたり、大詐欺師をして屈伏せしめ、白金プラチナ三十枚を詐欺師の手から、巻き上げようとしたのであった。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さるも老木おいきの春寒しとや、枝も幹もただ日南ひなたに向いて、戸の外にばかり茂りたれば、広からざる小路の中を横ぎりて、枝さきは伸びて、やがて対向むかいなる、二階家の窓にとどかんとす。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)