“さしむか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差向53.1%
対向30.6%
相対6.1%
對向6.1%
差対4.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風雨の容易に止みそうもないのをもどかしがっている兵馬には、この女と差向さしむかいのように坐っていることが気がとがめるようでなりません。
味方らしい年上の方が、対向さしむかいになると、すごいようで、おのずから五体がしまる、が、ここが、ものの甘さと苦さで、甘い方が毒は順当。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やうやくその顔のあきらかに見ゆるひまを求めけるが、別に相対さしむかへる人ありて、髪は黒けれども真額まつかう瑩々てらてら禿げたるは、先に挨拶あいさつでし家扶の畔柳にて、今一人なるその人こそ、眉濃まゆこ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
板戸いたどひとつがまちの、みせの八でふ古疊ふるだたみ眞中まんなかつくゑいて對向さしむかひに、洋燈ランプひたひ突合つきあはせた、友達ともだち二人ふたりで、くに地誌略ちしりやくふ、學校がくかう教科書けうくわしよんでた。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時はお蔦の機知さそくで、柔ごうを制することを得たのだから、いつもなら、いや、女房は持つべきものだ、と差対さしむかいで祝杯を挙げかねないのが、冴えない顔をしながら、湯は込んでいたか、と聞いて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)