差対さしむか)” の例文
お三輪も、こわいには二階が恐い、が、そのまま耳のうといのと差対さしむかいじゃなお遣切やりきれなかったか、またたもとが重くなって、附着くッついてあがります。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時はお蔦の機知さそくで、柔ごうを制することを得たのだから、いつもなら、いや、女房は持つべきものだ、と差対さしむかいで祝杯を挙げかねないのが、冴えない顔をしながら、湯は込んでいたか、と聞いて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)