“恐”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おそ35.9%
こわ30.8%
こは8.1%
おそろ7.3%
おそれ6.5%
おそら2.7%
1.6%
おそろし1.4%
1.3%
かしこ1.1%
(他:20)3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“恐”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語55.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)13.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
もうよかろうというのでおそおそる頭をあげて窓の方をみると、窓は明け放しになったままで、もう怪漢の姿がなかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もり一杯いつぱいひゞいてうへへ/\とおそろしく人々ひと/″\こゝろ誘導そゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やぶや松林のうちつづく暗い峠道でも、巳之助はもうこわくはなかった。花のように明かるいランプをさげていたからである。
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「それはそうかも知れませんが、しかし幾程いくら免職になるのがこわいと言ッて、私にはそんな鄙劣ひれつな事は……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「だつてお父様、ジウラさんは男のくせに、お馬にのることが下手で、落ちるのがこはいからいやですつて行かうといひませんもの」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
そんなものらないと私たちは思ひましたが役人が又まじめになってこはくなりましたからだまって受け取りました。
二人の役人 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
船頭はゆっくりゆっくりいでいるが熟練はおそろしいもので、見返みかえると、浜が小さく見えるくらいもう出ている。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かぶとのやうな額皺ひたいじわの下に、おそろしい目を光らしながら、山伏やまぶしは赤い鼻をひこ/\と笑つたが、
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その頸から上が、厳粛げんしゅくと緊張の極度に安んじて、いつまで経っても変るおそれを有せざるごとくに人をした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
を前置きに、(就きましては御縁女儀、)を場処柄もかまわず弁じられようおそれがあるため、計略ここに出たのであろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もしかへりたらんには、おそらく踏留るは三分の一弱に過ぎざりけんを、と我物顔に富山は主と語合へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
文一郎さんは赤坂台町あかさかだいまちに現存している人ではあるが、おそらくは自ら往事を談ずることを喜ばぬであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女子 そのようなわらしいことを申すものではござりませぬ。人を殺すのは、自分を殺すと同じではござりませぬか……。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
僕はみずか先登せんとうに立って、冷い螺旋階段の手すりにわ手をさしのべたときだった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とずっと出すと、びったり額を伏せて、しっかりと膝をつかんだが、苦痛を堪えるおそろしい力が入って、しびれるばかり。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あのおそろし魔処ましよはいらうといふ岐道そばみちみづあふれた往来わうらいで、百姓ひやくしやうをしへて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「やっぱし炭山と変らないで、死ぬ思いばしないと、きられないなんてな。——瓦斯ガスッかねど、波もおっかねしな」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
ず/\橋板を踏むと、足のそこがふわりとして、一足毎ひとあしごとに橋は左右に前後に上下にれる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かけまくもあやかしこき、いはまくも穴に尊き、広幡ひろはた八幡やはた御神みかみ、此浦の行幸いでましの宮に
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ここに建内の宿禰の大臣白さく、「かしこし、我が天皇おほきみ。なほその大御琴あそばせ」とまをす。
(はい、御門の処に馬車が居てこおうございましたから間違えてこっちへ参りました、どうも失礼。)
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「一人やったらほんまにこおうていられへんわなあ」いいますと、「好きな人と二人だけやったらこんな淋しい所の方がええわ」と、そないいうて光子さんはためいきついておられました。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
うしても剥しておくんなさいませんと、あなたまでおうらみ申しますと、おっかねえ顔をしたから、明日あしたは屹度剥しますと云ってけえしたんだ、それだのに手前てめえ嫉妬やきもちをやかれちゃア詰らねえよ
「海の方がおっかねえことも多いけど、陽気で好いぞ、ボートの中に寝そべって、大きな浪にこうユタリーユタリとゆられてよ、空を眺めてると下らないことは忘れてしまわあ。半年猟に出て、半年は女郎屋で暮すんだ。駆逐艦より少し速力の早い船が一艘あれば、大丈夫だ。どうかして二人でもう一度北海道へ行こうや」と言った。
恨なき殺人 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
「その当時、その話もあつたんだが、維持が困難だらうといふんで、僕に入れといふんだけれど、何うして先生の書斎なんかにゐられるもんですかおつかなくて……。」
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
日輪にちりんまはる、廻る、廻る、おつそろしいほど真赤まつかな太陽が
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それにこのおッそろしい臭気は! 随分と土気色になったなア! ……これで明日あす明後日あさってとなったら——ええ思遣られる。
おッそるべくさかんだなあ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかりにもえた声がして、警官けいかんはものの見事みごとに、その場になぐりたおされた。
くちなはなんいみじおぢける。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もっとも、まあこうやって女の手一つで立過たてすごして、そんなおっかねえ処へ貴方のために参ったんだ、憎くはありません、心中者だ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「知らぬは亭主ばかりなり——とは、昔の人が、よう、いうちょる。マンだけは信用しとったが、ちょっと、留守をしとる間に、もう、これじゃ。女子の心ちゅうもんは、おとろしいのう。女子は魔物じゃ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
『今昔物語集』巻五第二十一語に天竺てんじくの山に狐と虎住み、その狐虎の威を仮りて諸獣をおどす、虎行きて狐を責め狐恐れて逃ぐるほどに井に落ちたとありて、弁財天と堅窂地神けんろうじしんの縁起譚だがその出処が解らぬ。
坊さんの計算の時には二を掛けて行つておどろく程の速さで大きな数字になつて行つた。が、木虱の家族の増えるのは、十を掛けて行くのだから、其の増えるのはもつと/\早い。尤も坊さんの時には六十四度もかけて行つたのだが、こんどは十二度に過ぎない。しかしそんな事はどうでもいゝ。
『いやにじれつたいな、何うにも、恁うにも、おツかないなら、手を地べたに着いて謝罪んねえ、そこへ坐つて、チエツ、意氣地のない青二才だ』
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
無限てふことのかしこさ夢さめてなほしまらくを心慄へゐる
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
どうかすると、その手紙の中には、「織女をこわがっている牽牛なんて有りませんね」などとした初心うぶな調子で書いたところも有った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おゝコハや 恐やの鏡川
鏡川 (新字旧仮名) / 槙村浩(著)
ヲゾしの「をぞ」と言ふが、やはり仮名の変化でうつめ・をつめだと思ふ。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)