“いか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イカ
語句割合
如何48.4%
12.2%
10.3%
烏賊5.9%
不可3.7%
3.5%
奈何2.7%
1.4%
1.3%
1.3%
(他:120)9.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書生と下女とに送られて新橋しんばしに至り、発車を待つ間にも如何いかになし居るやらんと、心は千々ちゞに砕けて
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
しかしせめてこの仮定から出立して、地球の意識とは如何いかなる性質のものであろうぐらいの想像はあってしかるべきだと思う。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも其處そこひらめいてゐたのは、いかりでもなければかなしみでもない、――ただわたしをさげすんだ
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
奥歯でつぶした癇癪玉かんしゃくだまが炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしくいかって見える。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もとの家老とかの屋敷やしきを買い入れて、そのまま開業したという話だが、なるほど見懸みかけからしていかめしい構えだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ける一宮大将いちのみやたいしょう」とあって、太い四角な黒枠に入っているいかめしい正装の将軍の写真だった。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
○胃潰瘍には刺撃性の食物を禁ず。肉漿は最も良き滋養品なり。烏賊いか章魚たこ、海老、かには総ての胃病に禁ずべし。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
村の人達が、夜になつて、それぞれ元気に艪拍子ろびようしをあはせて、えつさ/\と沖の方に烏賊いかつりにでかけました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
やゝもすると、御まへ抔はまだ戦争をした事がないから、度胸がすわらなくつて不可いかんと一概にけなして仕舞ふ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
佐川のむすめを紹介される迄は、あにの見え次第げる気であつたが、いまでは左様さう不可いかなくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「なに、この位、痛かあねえ」と、彼は得意らしく自分の獲物をながめていた。猿は死にもしないで、おそろしい眼をいからせていた。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これがすなはち自分の始めて見た藤田重右衛門で、その眼をいからした赤い顔には、まことに凄じい罪悪と自暴自棄との影が宿つて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
娘は涙の一ぱい溜まつてゐる、美しい目で、無理に笑はうとした。そして頭を振つたが、その様子が奈何いかにも心細げに見えた。
駆落 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
牧は奈何いかにもして五百の感情をやわげようと思って、甘言を以てこれをいざなおうとしたが、五百は応ぜなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
藤原は、船尾にランプをつり上げながら、残された船を見送って、えられない寂しさと、いかりとに心を燃やした。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
佐竹はその無情をいかって、乗って来た馬の首を寺の井戸の中に斬り落し、自分は大平山の上にのぼって自殺して果てた。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「死んでいるんじゃねえ、殺したと思うと違うんだよ、もう少し辛抱すりゃいかして上げますぜ御新造、はッ、はッ」
待つ、ということのなかに、日本の女の忍耐づよい特徴がいかされもし、期待されもしているのである。
いかし、嚴つし、嚴めし、啀※いがむの類の語も、深く本づくところを考ふれば、皆氣息いきに關して居るかも知れぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
顏も體格に相應して大きな角張つた顏で、鬚が頬骨の外へ出てる程長く跳ねて、頬鬚の無い鍾馗そのまゝのいかめしい顏をしてゐた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
元より悟空ごくうが神通なき身の、まいて酒に酔ひたれば、いかで犬にかなふべき、黒衣は忽ちひ殺されぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かかるはなはだしき挫折に対しいかでかその反動の起こらざるべき。当時ドイツの学者ラインホールド・シュミード氏の著わせし記述にいわく、
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
だいりう以下いかであるが、天才てんさいいたつてはまつたならぶものがないので
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
おほくの實例じつれいちようするも其最大そのさいだいなる場合ばあひでも十分じゆうぶんいち以下いかである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
臧は金を掘りだした時、兄が先ず貢物の金を隠しておいたものだろうと思って、忿いかって兄の所へいって兄を責め罵った。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
十一娘は忿いかって食事をしないで、毎日寝ていたが、婿が迎えに来る前晩になって、不意に起きて、鏡を見て化粧をした。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ところが打たれた若者は、彼に腕を掴まれると、血迷った眼をいからせながら、今度は彼へ獅噛しがみついて来た。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
松陰みずから諸友のおのれを疎隔するをいかるや、曰く、「最早吾といえども尊攘を説くべからず」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
圭一郎はいかつて、この侵入者をそつと毒殺してしまはうとまで思ひ詰めたことも一度や二度ではなかつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
婆羅門帰ってその妻家外にあるを見、かねおしえ置いたに何故子を伴れて出ぬぞといかる。
貴誨きくわいかうむらずして、星霜多く改まる、渇望の至り、造次ざうじいかでかまをさん。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
目鼻だちはきりきりと利口らしけれどいかにもせいの低くければ人あざけりて仇名はつけける。
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太祖書を得ていかること甚だしく、しんに兵を加えんとするの意を起したるなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此方こちの心が醇粋いっぽんぎなれば先方さきの気にさわる言葉とも斟酌しんしゃくせず推し返し言えば、為右衛門腹には我を頼まぬが憎くていかりを含み
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
祐信すけのぶ長春ちょうしゅんを呼びいかして美しさ充分に写させ、そして日本一大々尽だいだいじんの嫁にして
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「何をしようと、わしの勝手だ。夫が妻を、いかそうが殺そうが。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
爺どのが、待たっしゃい、鶴谷様のお使いで、綿をいかいこと買うて来たが、醤油樽や石油缶の下積になっては悪かんべいと、上荷に積んであるもんだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
菊枝 さて其事ぢや。わらははな、近ごろいかい苦労をしておぢやつた。それ、お前も存じよりの黒谷の加門様の妹娘のことぢやが、あの娘が気がふれてな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
吾八は後に宇都宮吾陽といういかめしい名乗りをあげて、横浜では売り出しの写真師になりました。
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なんといふ下劣な演出だしものばかりだ! 名ばかりがいかつい万国抒情人形展。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
毎年越中魚津村山王より一両度常のより大きく薄白毛の猴舟津町藤橋を渡りてここへ使に参る(『高原旧事』)、江州ごうしゅう伊香いか郡坂口村の菅山寺は昔猴が案内して勅使に示した霊地の由(『近江輿地誌略』九〇)
滋賀県伊香いか郡伊香具村大音
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
佃島には先生、不孝者を持っていかいこと苦労をする婆さんが一人ね、弁天様のわきけちな掛茶屋を出して細々と暮しています、子にない恐しい堅気なんで。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うへぬしむ、とふて、今以いまもつ誰一人たれひとりつりをするものはねえで、こひふないかこと。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大切ですが、「いかに」と云うことが一層大切です。
空拳くうけんいかんだらう」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
商周しやうしう已下いか秦漢しんかんより今に至るまで、凡そ二十二史、皆武を以て國を開き、文を以て之を治む。
これ『塩尻』巻四六に、中古吉野初瀬もうで衰えて熊野参り繁昌し、王公已下いか道者の往来絶えず、したがってありが一道を行きてやまざるを熊野参りに比したとあり。
同じく大學に在りし日に、余が品行の方正なるを激賞したる相澤が、けふはいかなる面もちして出迎ふらん。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
同じく大学に在りし日に、余が品行の方正なるを激賞したる相沢が、けふはいかなる面もちして出迎ふらん。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
五月の五日が五十日いかの祝いにあたるであろうと源氏は人知れず数えていて、その式が思いやられ、その子が恋しくてならないのであった。
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)
三月になると空もうららかな日が続き、六条院の若君の五十日いかの祝い日も来た。色が白くて、美しいかわいい子でもう声を出して笑ったりするのであった。院がおいでになって、
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しづか開戸ひらきどけなければいかない。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
迎いにもいかねいでらちもねいこんだ。どうしてやるべい」下女「あの家へ怒鳴どなこんで満さんを引張ひっぱって来さっせい」お代「そうでもしなけりゃこの腹がえねいだ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
されど斯くてわれカムパニアの曠野あらのに日を送ることなくば、かゝる貴人のいかでか我を認め得給はん。
いはんや好惡の念強かりしシヨオペンハウエルが如きもの、若くは僻境に居りて經驗少かりけるカントが如きもの、いかでか偏僻頑陋と看做されざらむ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ぼく家見舞いへみまひいかず、年玉としだま義理ぎりをかけてさ。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
例の書生は手桶ておけげて、表の方から裏口へ廻って来た。飲水をむ為には、唐松からまつの枝で囲った垣根の間を通って、共同の掘井戸までいかなければ成らなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
安に問いて曰く、〓河ひかたたかい、公の馬つまずかずんば、何以いかに我を遇せしぞと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)