“どう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ドウ
語句割合
如何29.9%
15.4%
8.5%
7.3%
6.4%
奈何6.0%
4.1%
3.4%
3.2%
2.8%
(他:74)13.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
運命なのか、地面へ飛び下りるつもりの彼女は、丁度そのあなへどんと俯伏うつぶせにちこんだ時、如何どうとも全力が尽きてしまった。
我々われ/\ロシヤの地方團體ちはうだんたい醫術いじゆつ如何どうであらうか、精神病せいしんびやういてふならば
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それからお鉄の家に引取られてというものは、血が濁り、筋が緩み、気力が衰えて、如何どうにも斯うにも成らなかった。痴呆の如くに成るのみで有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
もっとも左右共に家続きであるから、四角な箱の中をがらんどうにして、その屋根のない真中を、三和土たたき辿たどって突き当る訳になる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とんでもない大声でかごえ船夫ふなこの猛るのや、くるくるとうごいて廻る影が四国屋の帆印をたたんだ二百石船のどうに躍ってみえた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戸外そとは大変な人集ひとだかりだ。もっとも、みんな火事と間ちがえているので、寝巻のまま飛び出して来たやつが、寒そうにどうぶるいしながら、
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
れでもおまへ年寄としよりだもの、おいらのふのはよめさんのことさ、年寄としよりはどうでもいとあるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一首の意は、若しもこの日本の国にあなたのような方がお二人おいでになると思うことが出来ますならば、どうしてこんなになげきましょう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
やっと二三十けんばかりの処に近づいて、月の光りにすかして見ると、提燈ばかりが歩いているのでなく、どうやら人が持っているのだ。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
という声の下に、彼はエイッと叫んで身体を振った。その鬼神きじんのような力に、元気な一郎だったが、たちまちどうと振りとばされてしまった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それを槍の柄で払おうとして、あぶない足許が一層あぶなくなって、ついに堪らずどうと尻餅をついたのが、お銀様にとっては命の親でありました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
余が斯う見て取ると同時に其の身体は横の方へ傾いて、宛も立木の倒れる様に、床の上へどうと仆れた、余は驚いて馳せ寄ったが、余よりも権田の方が早く
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
望蜀生ぼうしよくせいが、どうぐわつ二十二にち壺形土器つぼがたどきし、玄川子げんせんし土偶どぐうあし
中番頭ちゅうばんとうから小僧達こぞうたちまで、一どうかおが一せいまつろうほうなおった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
どう足音あしおとしのばせて、ふすまけたてにもくばりながら、つぎった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
眞箇ほんと。ホラ、今朝島田さんから戴いた綺麗な繪葉書ね、姉ちやんが、あれを取上げて奈何どうしても返さないから、代りに此を貰つたの。』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は遠い旅から帰って、久しぶりで自分のところへ訪ねて来て呉れたものの顔を見た時、それが「冬」だとは奈何どうしても信じられないくらいに思った。
三人の訪問者 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
真箇ほんと。ホラ、今朝島田さんから戴いた綺麗な絵葉書ね、姉ちやんがあれを取上げて奈何どうしても返さないから、代りに此を貰つたの。』
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しょせん逃げおおせぬとあきらめてか、途中、小さいどうを見かけるやいな隠れこんで、内から御堂格子みどうごうしを閉じていたのだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先刻さっきから赤い本に指をまれた夢を見ていた、主人はこの時寝返りをどうと打ちながら「寒月だ」と大きな声を出す。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いやこの張順も、はからずお三名の豪傑に、一せきどうのうちでお目にかかり、こんなうれしいことはございません。どうぞこれからは兄弟分の端と思ってお叱りを」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鍔ぜり合いは、どう極致きょくちせい……こうなると、思いきり敵に押しをくれて、刀を返しざま、身を低めて右胴を斬りかえすか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
葉子はなおもどうじなかった。そこにおんながはいって来たので話の腰が折られた。二人ふたりはしばらく黙っていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その位置が窓のすぐ近くなものですから、乞食のところから、明智の一きょどうが、手にとるように見えるのです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
『僕もさうだよ。日頃はこれでも仲々意氣の盛んな方なんだが、昨夜君と逢ツてからといふもの、どうしたもんか意氣地の無い事を謂ひたくなる。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
釧路は、人口と云へば僅か一萬五千足らずの、漸々やう/\發達しかけた許りの小都會だのに、どうしたものか新聞が二種ふたつ出て居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
昨夜ゆうべ君が帰ツてから、僕はどうしても眠れなかツた。』と楠野君の声は沈む。『一体村民の中に、一人でも君の心を解してる奴があツたのかい。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ところが、高俅こうきゅうの兵は、すでに八どうの関門から街道の旅籠旅籠の詮議せんぎにまで手をまわしており、宋江はいくたびか逃げ道を失った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大隅は手に持っていた洋杖ステッキをとりなおして、そこについていたボタンを押すと、把手ハンドルのところからサッと一どうの光が流れだした。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「——どこかには、わが身を見ている宮方がいる。このぶんでは行く行く再起の望みもかたくはあるまい」そう一どうの光明を感受されておられたものか。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって、女の子は、ぴかぴかみがいた、どうのくびわをはめたままつながれている、一ぴきのとなかいを、つのをもってひきだしました。
がんがんひびくどうや鉄の音やつちの音、そういう物音の中に、河岸かし通りをからから走って行くたくさんの車の音が交じって聞こえた。
「おいら、何でもれてやるぜ。あのどう歯車はぐるまだってしけややるよ。」けれどもポーセはだまって頭をふりました。
手紙 四 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼女は其後何様どうなったかは伝わって居らぬが、恐らくは当時の有識階級の女子であったから、多分は仏縁に引かれて化度けどされたでもあったろう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
表裏反覆の甚だしい世じゃ。思うても見られい、公方と管領とが総州を攻められた折は何様どうじゃ。総州がを立てたが故に攻められたのじゃ。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「然しあんなに駄目を押して、予防線くぎをさすッてエなア何様どういつもの洞喝おどかしだろうが——奴等も大部こたえたらしいナ」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
なるほどモーニングの大きい穴の向うには、背中の方のモーニングの裏地うらじが見えるばかりで中はガランどうに見えました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
得意のちくいちを物語ろうと思ったところが、荘園そうえんいおりはがらんどうで、ただ壁に、一枚の紙片かみきれってあり、まさしく居士の筆で、いわく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北海道万寿炭坑行きのボイラー三本を、万寿丸は、横浜から、室蘭への航海に、そのガランどうの腹の中に吸い込んだ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
『イヤまつたく貴君あなたの物で御座ございます、けれども何卒どうまげわたくしたまはりたう御座ございます』
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
自分は決して浮きたる心でなく真面目まじめにこの少女を敬慕しておる、何卒どう貴所あなたも自分のため一臂いっぴの力を借して、老先生の方をうまく説いて貰いたい
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
初め植木屋夫婦が引越して来た時、井戸がないので何卒どうか水を汲ましてくれと大庭家に依頼たのみに来た。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ルリ子はうららかな太陽の光を浴びながら、梅田十八と抱き合っているうちに、急に梅田の身体が消えてしまって、弾みをくってどうとベンチの上に長くなって仆れる。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「火の玉」少尉は、相手がうごかなくなったのを見ると、そのまま自分もどうとその場に倒れた。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それを最後にどうけ反った。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
時雄はふらふらと危く小便をしていたが、それがすむと、突如いきなりどうと厠の中に横に寝てしまった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と思うと、波頭は吹きつける風にそりを打ってどうとくずれこんだ。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「シャロットの女を殺すものはランスロット。ランスロットを殺すものはシャロットの女。わが末期まつごのろいを負うて北のかたへ走れ」と女は両手を高く天に挙げて、朽ちたる木の野分のわきを受けたる如く、五色の糸と氷をあざむく砕片の乱るる中にどうたおれる。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
么麽どうしてこのいわはずにられやう、去年きよねんも、一昨年おとゞし
這般な議論は么麽どうでも可いが、処で此高時殿が大の闘犬好きで其お庇で我々は大分進歩した。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
兎島といふ半島的突出の北部の灣形に入り込んだところなどは、何樣どう見ても茶人的の大庭の池の甚だ寂び古びたやうな感じで、幽雅愛すべきである。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
福を惜む人が必らずしも福に遇ふとは限るまいが、何樣どうも惜福の工夫と福との間には關係の除き去る可からざるものが有るに相違ない。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
死んだ人はの恐ろしい瀧の中へ飛込んだなら一切この世とは連絡が絶えてしまふ位に考へてでも有らうが、何樣どうしてそんなに容易に一切が水の泡となるものでは無い。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「僕はとうてい、あの倍音が鐘だけで証明出来ようとは思わんがね。それより手近な問題は、鎧通しを伸子が握らされたかどうか——にあると思うのだ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それであのおハガキを頂いてから、従兄は「其看板が直ったかどうか、きっと見に通るに違いない。通れば並みの人と視線のやり場がちがう」と申しまして、注意を怠らなかったそうです。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
き立てられ、孝助は止むを得ず形見の一刀腰に打込み、包を片手に立上り、主人のめいに随って脇差抜いて主人の元結もとゆいをはじき、大地へどう泣伏なきふし、
然れども思え、いたずらに哭してどうして、墓前の花にそそぎ尽したる我が千行せんこうなんだ、果して慈父が泉下の心にかなうべきか、いわゆる「父の菩提ぼだい」をとむらい得べきか。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
障子が段々だんだんまぶしくなって、時々吃驚びっくりする様な大きなおとをさしてドサリどうと雪が落ちる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
黒を向うに置いて、走りかゝってどう体当たいあたりをくれて衝倒つきたおしたりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
忽ち場内のわあつと騒ぎ立ちて、どうおとするを見れば、斯は如何に紅色くれなゐの洋装婦人と踊り狂へる六尺ゆたかの洋人の其の鼻もつととびに似たるが、床の滑かなるに足踏み辷らして、大山のくづるゝ如く倒れしなりけり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
かのうらぶれのいか物師、 木どうがかりのかどなれや。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
⦅後どう又兵衛いつつも拝んだづなす⦆
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
どうつ!」とヴァンダーヴォットタイムイティス中の、鞣皮で張った肱掛椅子に腰を下した小さな爺さんたちが、鸚鵡おうむ返しに言った。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
そして子供たちの懐中時計も、猫や豚の尻尾についている小さな鍍金めっきの時計も「どうつ!」と言った。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
先生少しも御承知ないから、么麼どうも此頃の小説は千篇一律で詰りませんナ、女郎文学でござる、心中文学で厶ると欺騙して引退るだけだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
何しろ学問は打棄うつちやつて西鶴が么麼どうしたの其碩きせきが么麼したの紅葉はえらいのさゞなみは感心だのと頻りに肩を入れられるさうナ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
鶏頭、鶏頭、俺は什麽どう考へても軽薄にはなれない、あの人が恋しい。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何から何如どう手を着けていか分らない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
将来の自由党の名士を以って自任しているのなら、グラッドストンかコブデン、ブライトあたりに傾倒すべきだが、何如どうしたはずみだったか、松陰先生に心酔して了って、書風までつとめて其人に似せ、ひそかに何回猛士とかせんして喜んでいた迄は罪がないが、困った事には、斯うなると世間に余り偉い人が無くなる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なにんだとう、づう/\しい阿魔あまだ、くし何故どうしてらつたんだかつてろつちんだ、んでもわかんねえのか、つてろよ」勘次かんじしばらあひだいて、またかつと忌々敷いま/\しくなつたやうに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どうあり、ただちに予等を引いて応接室に到る。長方形の卓一、洋風の椅子二三、卓上に盤あり。陶製の果物を盛る。この梨、この葡萄、この林檎、——このつたなき自然の摸倣以外に、いつも目を慰むべき装飾なし。然れども室に塵埃を見ず。簡素の気に満てるは愉快なり。」
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
早くお婿さんが来て自分を一緒に遠いところへ連れて行つて欲しい、斯の熱くなつたり冷くなつたりするやうな繊柔ひよわい自分をもつと奈様どうかして欲しいと願つた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「叔父さん、一寸被入いらしつて下さいませんか。あねさんが奈様どうかしましたから。」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
如何樣どうしたのだ、一所に下りて行かう、とすゝめると、視線を落したまゝ動かない。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)