“吊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.9%
つる29.3%
つり2.3%
とむら2.3%
0.6%
0.6%
とぶら0.6%
ともら0.6%
ぶら0.3%
さが0.3%
ちよう0.3%
つっ0.3%
とふ0.3%
とふら0.3%
とぶろ0.3%
とむ0.3%
0.3%
ツリ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元来、猫は兎のように耳でり下げられても、そう痛がらない。引っ張るということに対しては、猫の耳は奇妙な構造を持っている。
愛撫 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
部屋の一端には巨大な一対の鹿しかの角が壁にはめこんであり、その枝は懸釘かけくぎの役をして、帽子や、鞭や、拍車をつるすようになっていた。
店先ではちょうど小僧がつりランプへ火をとぼして、夕暗の流れている往来へ、まだ煙の立つ燐寸殻マッチがらを捨てている所だったのでございます。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「お前さんが七年あとに清水さんを殺した其の白骨でも出さなけりゃア、跡に残った女房子にょうぼこが七回忌になりやしても、とむらいも出来やせん」
四階目にある此処の家のはばかりには、ミユンヘンの新聞紙とともに日本の新聞紙を四角に切つてげてあることがあつた。
日本媼 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「仏さまのお好きな物だ。そいつをおわんに山盛り一杯ゴチになって、あとは土牢行きの逆さりで、あしたの朝は、土の中でありと仲よしになるんだよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かはらぬちぎりのれなれや千年せんねん松風しようふう颯々さつ/\として血汐ちしほのこらぬ草葉くさばみどりれわたるしもいろかなしくらしだすつき一片いつぺんなんうらみやとぶらふらん此處こゝ鴛鴦ゑんあうつかうへに。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
平常つねは道理がよく了解わかる人では無いか、氣を靜めて考へ直して呉れ、植村の事は今更取かへされぬ事であるから、跡でも懇にともらつて遣れば、お前が手づから香花かうはなでも手向れば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
足の皮がやっこいだからね、お待ちなせえ、私ア独り歩くと怖えから、提灯をけねえで此の通りぶらさげているだ。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あたいんか? あたいん家はねえ」と阿部は少しでも高くなって展望をきかせたいと思い、金網にすがってこうもりのようにぶらさがった。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
乱山いずれの処か残燐をちようす 乞ふ死是れ生真なりがたし 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人 洞房の華燭前夢を温め 仙窟の煙霞老身を寄す 錬汞れんこう服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる可けん
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
この家は以前もと土蔵をこわした跡へたてたのだが、土蔵のあった頃当時の住居人すまいにんそれ女房にょうぼが、良人おっとに非常なる逆待ぎゃくたいを受け、嬰児こどもを抱いたまま棟木むなぎに首をつって、非命の最期を遂げた、その恨みが残ったと見えて
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
立去り我が家へ歸りかみいのりしこともむだとも成しとて夫より只管ひたすら菩提ぼだいとふらはんと思ひはなを供へ香をたいて只々一途に後生を願うてゐる所に其夜丑刻やつどき頃と思ふ折しも表の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とほしまちかえ、ちかふねかへつとほえ、其爲そのため數知かずしれず不測ふそくわざはひかもして、この洋中やうちゆう難破なんぱせる沈沒船ちんぼつせん船體せんたいすで海底かいていちて、名殘なごり檣頭しやうとうのみ波間はかん隱見いんけんせるその物凄ものすご光景くわうけいとふらひつゝ
灯前影ヲとぶろフテ彷徨彳亍ほうこうてきちょくタリ。たちまチ声ノ中空ヨリ落ルモノアルヲ聞キ、窓ヲ推シテコレヲルニ、天くもリ月黒ク、鴻雁こうがん嘹喨りょうりょうトシテたちまチ遠ク乍チ近シ。ひそかニ自ラ嘆ズラク、ワガ兄弟三人幸ニシテ故ナシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とむらふ谷間には
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
壁と言ふよりは、壁代カベシロであつた。天井からりさげた竪薦タツゴモが、幾枚も幾枚も、ちぐはぐに重つて居て、どうやら、風は防ぐやうになつて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
壁上ハリツケ幾張人皮。梁上ツリサゲ五七條人腿。見那兩箇公人。一顛一倒。挺著在剥人凳上