“不吊合”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふつりあ50.0%
ふつりあい50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背の高い、色の白い、目鼻立ちの立派な兄文治と、背の低い、色の黒い、片目の弟仲平とが、いかにも不吊合ふつりあいな一対に見えたからである。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ぞんざいなことばと不吊合ふつりあいに、傘を左の手に持ちかえて、おうように手袋に包んだ右の手の指さきをさしのべた。渡辺は、女が給仕の前で芝居をするなと思いながら、丁寧にその指さきをつまんだ。
普請中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼の筺底きょうていの古写真は体と不吊合ふつりあいに頭の大きい、いたずらに目ばかりかがやかせた、病弱らしい少年を映している。
丈は不吊合ふつりあいに伸びていて、イギリス人の a long lad なんぞと云うたちである。金は無い。親を亡くした当座で、左の腕に喪章を附けている。その時のマドレエヌはどうであったか。
田舎 (新字新仮名) / マルセル・プレヴォー(著)