“つる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツル
語句割合
39.7%
16.0%
16.0%
15.6%
6.2%
1.4%
1.2%
都留0.9%
0.4%
水流0.4%
(他:13)2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
攀縁性のつる植物の緊密なしばりで、おそらく倒れずにそのまますべるのだろう——と考えたが、それも瞬時に裏切られた。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
裏の畠には、前の年に試みた野菜の外に茄子なす黄瓜きうりなどを作り、垣根には南瓜かぼちゃつるわせた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ベッドの上の衣服と、そのわきつるしておいた非常袋をつかむが早いか、部屋をとびだして、街路をけだした。
歩いているうちに、巳之助は、様々なランプをたくさんつるしてある店のまえに来た。これはランプを売っている店にちがいない。
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「日本よ、お前は海にはられた一本のつる。どっちから風が吹いても、鳴らずにいられない。——ほんとにそう思うでしょう?」
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから彼女は、まだ僧侶達が帰らないうちに呼びつけのタキシーの高級車を呼んで、つるを離れた矢のように飛出て行った。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
最も滑稽こっけいな例をあげるとフィンランド語ではつるが haikara であり、おおかみが susi である。
あひるさんは鳥は鳥でも羽が短いのでとぶことが出来ません。あひるさんの近所に、つるさんがゐました。二人はお友達でした。
あひるさん と つるさん (新字旧仮名) / 村山籌子(著)
それはのこぎりで腰骨を切開いて、骨と骨の間に横木を入れ、後部うしろの脚に綱を繋いで逆さに滑車でつるし上げるのだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と思う間もなく、キリキリキリと音がして足が頭より上に上った。巨大な岩の身体が、天井にさかさつるされてしまったのだ。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
撚りの有無とつる強弱きよじやくとの關係は僅少の經驗けいけんに由つてもさとるを得べき事なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
矢のつるはじかれ空を貫いて飛ぶことはやきもわがこの時見し一の小舟には如かじ 一三—一五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのつるむときはすなわち変じて二小蛇とる、竜の性粗猛にして、美玉空青ぐんじょうづ、喜んで燕肉を嗜む
前の電線はりがねに雀がチユチユツと飛んで来てつるんだかと思ふとパツと別れた。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
石橋氏がマンガン鉱山失敗の結果、現在では平戸殖産興業会社の経営に移っている。農民の世話役をしている、都留つる五八氏の案内で一巡する。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
この谷間の、この部分だけは白昼のように明るいけれども、周囲は黒闇々こくあんあんに近い山々。僅かに二日の月が都留つるの山のに姿を見せているばかりです。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
素知らぬふりをしてるのは、干からびた鹽鱒しほびきの頭を引擦つて行く地種の痩犬、百年も千年も眠つてゐた樣な張合のない顏をして、日向ひなたで欠伸をしてゐる眞黒な猫、往還の中央でつるんでゐる雞くらゐなもの。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
素知らぬさまをしてるのは、干からびた塩鱒しほびきの頭を引擦つて行く地種ぢだねの痩犬、百年も千年も眠つてゐた様な張合のない顔をして、日向ひなた呟呻あくびをしてゐる真黒な猫、往還の中央まんなかつるんでゐる鶏くらゐなもの。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
水流つるさんや、お前えも余つ程要心しねえと危ねえぞ。丸十の繁から俺は聴いたんだが、お前えは飛んだ依怙贔負の仕事をしてゐるつてはなしぢやないか、家によつて仕事の仕振りが違ふつてことだよ。」
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
水流つるさんや、おえもよっぽど用心しねえとあぶねえぞ。丸十の繁から俺は聴いたんだが、お前えは飛んだ依怙贔負えこひいきの仕事をしているってはなしじゃないか、家によって仕事の仕ぶりが違うってことだよ。」
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
路次のなかの水道際すいどうぎわに、ばちゃばちゃという水の音がしてバケツのつるの響きがはしゃいで聞えた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
柄は長さ約三フィートの、軽くて丈夫な竹で、籠細工の胴体はつるで柄とつらなり、鉄の縁がついている。
大学の構内に転がつてゐる物は、蜥蜴とかげ交尾つるんだのでも鄭重に眼鏡を通して見るが、大学以外の物はみんな眼鏡越しに見る事にめてゐる。
翁は豊雄に向って、「邪神は年経としへたるおろちなり、かれがさがみだらなる物にて、牛とつるみてはりんを生み、馬とあいては竜馬りゅうめを生むといえり、このまどわせつるも、はた、そこの秀麗かおよきたわけたると見えたり」と云っていましめた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あの来んされえが君のおっかさんと孳尾つるんで君をこしらえたのだ。あはははは」などと云う。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あの橋の手前の河岸縁の家にまさきか何かむくむくと繁つた常緑の樹があつて、それに夏からの風鈴が雨に濡れたままにつるされて居た事を記憶してゐる。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
ねえ支倉君、ああして聴えてくる響が、この結節を曲者くせものに見せたのだったよ。何故なら、レヴェズの重量が突然加わったので、鉄棒に弾みがついてしないはじめたのだ。すると、その反動で、懸吊つるされている身体からだが、独楽こまみたいに廻りはじめるだろう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
瀬戸と大泉のほかに、北川きたがはといふ建築家、津留つるといふ婦人科医、ごうといふ騎兵大尉である。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
猪牙舟につるんで従いて来た一そう屋形船やかたがある。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せめてもの願ひ、われはわが想ひの夢、黄昏のひと時に咲く紫の虹とも、北国の真夜中に映ゆる極光とも、あはれ騎士ナイトが戦ひに破れし青銅ブロンズの盾にふりそゝぐしろがねの涙ともならば、と祈らむにも力は尽きぬ——金のつるもて張れるわが喜びの琴は
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
引返して岬の頂へ登る径を求めると、砂の崩れ落ちるうねうねした小径が目にはいつた。その径の端にうす紫の蔓岬つるの花がなよ/\と咲いてゐた。私はその花を採つて手帖の間へ挟んだ。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
歯をくいしばりたる砲員は憤然として勢いたけつるちに打ちいだしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
右舷側砲はつるちにうち出しぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
『ウ——ム。棄てるなら……助けると思うて……酒屋の前へ棄ててくれい。昨夜ゆうべ釣銭つるをば四円二十銭置いててくれい』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)