“蹌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よろ76.9%
よろめ11.5%
うご1.9%
うづく1.9%
ひょろ1.9%
1.9%
よろけ1.9%
よろぼ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何ものかに、押し返されるように、彼は、たたたと、後へ戻った——いやよろめいた。そして、樹の蔭にかくれて、あらい息を、肩で
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と声をかけ、無遠慮ぶえんりょに腰障子を足でガラリッと押開け、どっこいとよろめいて入りましたのは長二でございます。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その風流人の風流心を曇らすところの現象が存在してうごいたことはたしかに事実で、その証拠には、彼等が関の藤川へ向って足早に歩み去るついそのあとに、やはり妙応寺の門側から
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と鉄拳将に飛ばんとする時、隅の方にうづくまつた抱巻かひまきがムク/\と持上つて、面長な薄髯の生へた愛嬌のある顔が大欠伸をした。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
切付けられてアッと云ってひょろめくところへ、又、太刀深く肩先へ切込まれ、アッと叫んで倒れる処へ乗し掛って、まる河岸かしまぐろでもこなす様に切って仕舞いました。
それまで水手拭みずてぬぐいを当てていた頭の髪を結び、病褥にいたわっていた痩せた足に草鞋わらじをつけ、誰が止めようと意見しようと耳をさず、とうとう烏丸家の門からい出たものではあるまいか。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よろける貞藏の手を取って台所だいどころ折廻おりまわった処の杉戸を明けると、三畳の部屋がござります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
法律は鉄腕の如く雅之をらつし去りて、あまつさへつゑに離れ、涙によろぼふ老母をば道のかたはら踢返けかへして顧ざりけり。ああ、母は幾許いかばかりこの子に思をけたりけるよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)