無宿人国記むしゅくじんこくき
「蒲団は——お炬燵は——入れたかえ」 船宿のお内儀さんだ。暗い河岸に立って、いつもの、美い声を、張りあげている。 息が、白く、冬の夜の闇に見えた。 寒々と更けた大川の中で、 「おう」 と、船頭の答えをきくと、かの女は、河岸づたいに、五明楼の …
作品に特徴的な語句
じか ちが 花街まち 此方このほう 美味うめ 提灯あかり たわ 誘拐かどわ えつ あたま べり たかぶ とも おり 雷光いなびか がたな 腕利てき いかめ ぎぬ 彼女あいつ なか ほむら のぶ 桟橋ふなばし つか いかずち 刺客せっかく おし かか ざま ごと はず はず 退 恟々おどおど 男女ふたり 生首くび 直江なおえ かえり まこと 炬燵こた しか あたた よだ より かけ 肋骨あばら 明日あした はす みよし ふなべり ぜみ たしか 親戚みより 言伝ことづ たず こわ おぼ 彼奴きゃつ はじ さと 幇間たいこもち けえ 尿しし すく 踉々ろうろう 蹌々そうそう 宿酔しゅくすい まろ あやま 付人つきびと