“雷”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
らい45.7%
かみなり29.7%
いかずち11.2%
いかづち8.6%
いなずま1.3%
かみ0.9%
いなづま0.4%
はたたがみ0.4%
イカヅチ0.4%
カミナリ0.4%
(他:2)1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雨中うちゅうのすき間から、一瞬間、サッと青白い光が射し込んで、畳の目をくっきり描きだすのは、らいが、ちょうど頭の上へ来ているらしい。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
◎お乙女あねさんはお仁王と綽名あだなされた丈け中々元気で、らいが鳴る時などは向鉢巻をして大鼓を叩いてワイ/\と騒ぐ様な人でした。
すると一陣の風が吹き起つて、墨のやうな黒雲が一面にあたりをとざすや否や、うす紫の稲妻がやにはに闇を二つに裂いて、凄じくらいが鳴り出しました。
杜子春 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
然れども僕は先生の言を少しも解することあたはざりし故、唯かみなりに打たれたるおしの如く瞠目だうもくして先生の顔を見守り居たり。
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さんざん大荒おおあれに荒れたあとで、ふいとまたかみなりがやんで、あらしがしずまって、なつがしらしらとけかかりました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして爺さんがあっ気にとられていると、その空いっぱいの大きな鼻の向こうから、「あははははは」とかみなりのような笑い声が聞こえました。
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
白い手を挙げ、とさして、ふもとの里を教うるや否や、牛はいかずちのごとく舞下まいさがって、片端かたっぱしから村を焼いた。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
加藤主税はほのおを吐くような呼吸といかずちのような気合で、力に任せて鍔押しに押して来ると、島田虎之助はゆるゆると左へ廻る。
ぴかりぴかりといなずまが目のくらむばかり障子にうつって、そのたびに天地もくつがえるようにいかずちが鳴り渡る
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
清きうしほにひたりつつ、かうべをあげてまさに日の出でむとする方に向へば、刃金はがねいかづちの連亙起伏する火山脈の極るところ
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
中にも娘はけたたましう泣き叫んで、一度ははぎもあらはに躍り立つたが、やがていかづちに打たれた人のやうに、そのまま大地にひれふしたと申す。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
イタリアの二の岸の間、汝の郷土ふるさとよりいと遠くはあらざる處にいかづちの音遙に下に聞ゆるばかり高く聳ゆる岩ありて 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と大喝一声、ひるむ処を附け入って、こぶしいなずま手錬のあてに、八蔵は急所をたれ、蹈反ふんぞりて、大地はどうと響きけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今や平民主義の運動は火のごとく、いなずまのごとく地球の表面を快奔雄走し、しかしてかの生産境遇の必要は人民を駆り、社会を駆り、いかなる人類をもいかなる国体をもことごとくこれを平民的の世界にさんとす。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ピカピカピカッと白い閃光せんこうが、いなずまのように目を射た。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
松原あり。片山といふ山を望む。二里半武佐むさ駅。仙台屋平六の家に宿す。此日午前後晴。晩密雲不雨あめふらずかみなる。暑甚し。行程八里許。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
午後風あり涼し。かみなる。雨ふらず。行程八里半余。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かみのごと 聞えしかども
いなづまのさそひ出してや火とり虫
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
皆ただ、蠅の音がただ、はたたがみのように人々の耳に響いた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見るなと言はれたのに、見られると、八つイカヅチ(雷は古代の考へ方によれば蛇である)が死骸に群つて居た。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
旧来の通称の儘のは、茶珍チヤチン徳珍トクチン鈍宝ドンボオ道木ドオキ綿帽子ワタボオシ仕合シヤワセ午造ゴゾオ宝楽ホオラクカミナリトビ鍋釜ナベカマなどいふ、思案に能はぬのもある。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
頼まれもせんのに外国まで問合せを出すバカだから、もちろん逢う外人もって、失礼ですが御地ではサンダーは鳴りますかね? とばかり、片っ端から聞く。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「ワタシサンダーデ引ッ繰リ返ッタコト、ナイカラ、ワカラナイ。チョウドココグライ……モット酷イコトモアル」
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「お師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)