“時雨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しぐれ82.1%
しぐ16.7%
しぐら0.4%
ときにあめ0.4%
トキアメ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時雨しぐれ、肌寒い晩がた、それから小春日和。……この季節には庭や菜園や川岸などの散歩はいつもより少し長めにしなければなるまい。
富籤 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
霧のやうな小雨がじめ/\と時雨しぐれると、何處からともなく蛙のコロ/\と咽喉を鳴らす聲が聞えて來ると、忽然、圭一郎の眼には
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
芝居のなかも暗く時雨しぐらんだようで、底冷えが強く、蒲団をけていても、膝頭ひざがしらが寒かった。叔父は背筋へ水をかけられるようで、永く見ていられなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「五日。微晴。時雨ときにあめ。藩邸より伏見夜船賃受取。夕刻煙草屋藤助一六船利徳丸へ乗組、新堀迄出帆。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
時雨トキアメの朝虹に、光り合ひたる赤糸縅、汗に、絞りし若武者の、鎧に露の白玉か。玉のやうなる上﨟を
由良助の成立 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)