“霖雨”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
りんう60.0%
ながあめ28.9%
きりさめ2.2%
つゆ2.2%
つゆのあめ2.2%
ながめ2.2%
リンウ2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六月の霖雨りんうの最中に来て借りた鍛冶町かじまちの家で、私は寂しく夏を越したが、まだその夏のなごりがどこやらに残っていて、暖い日が続いた。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それは、四月末から五月、六月の若鮎の溯上最も盛んな頃は、山から雪が解けて来るか、打ち続く霖雨りんうのため、川の水は極めて多い季節である。
水垢を凝視す (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
二三日前から梅雨に入ったと見え、本式の霖雨りんうが始った。いやだ。然し周囲が静かになり、大工の音も少しはやわらげられるのは嬉しい。
毎日毎日、気がくさくさするような霖雨ながあめが、灰色の空からまるで小糠こぬかのように降りめている梅雨時つゆどきの夜明けでした。
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
じめじめと霖雨ながあめの降り続いた後の日に、曾て岸本がこの墓地へ妻を葬りに来た当時の記憶は、た彼の眼前めのまえに帰って来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ひでりにもれず、霖雨ながあめにも濁らず、一町ばかり流れて大川に落ちますが、その間に住むうなぎだけは皆片目であった。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
法被姿はっぴすがた梵天帯ぼんてんおび、お約束の木刀こそなけれ、一眼で知れる渡り部屋の中間奉公、俗に言う折助おりすけ年齢としの頃なら二十七、八という腕節の強そうなのが、斜に差しかけたやぶ奴傘やっこで煙る霖雨きりさめを除けながら今しもこの髪床の前を通るところ。
霖雨つゆしげし大き蝙蝠傘かうもり低くさしの子なるらし坂のぼり来し
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
土用どようのうちの霖雨つゆのあめを、微恙びようの蚊帳のなかから眺め、泥濁どろにごつた渤海あたりを、帆船ジヤンクすなどつてゐる、曾て見た支那海しなのうみあたりの雨の洋中わだなかをおもひうかべる。
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
父と子や霖雨ながめけなるき起臥おきふしひつつすにひにつつあり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふる眼の梅雨つゆ霖雨ながめを日ぐらしと子は父を思ふ父は子をけだ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この語の内容には、霖雨リンウ(ながめ)、ナガむなどいふ別種の言語の感じも伝習的に附け加へられて、一種の憂鬱なおもひに耽つて居る時分の有様を表はすに適当な語となつて居るが、「眺」の意は、明かに存して居る。
古歌新釈 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)