“つゆ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツユ
語句割合
44.3%
梅雨40.2%
11.4%
0.9%
入梅0.9%
0.6%
〽露0.3%
梅霖0.3%
清汁0.3%
菓汁0.3%
0.3%
霖雨0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にごれるみづいろへて極彩色ごくさいしき金屏風きんびやうぶわたるがごとく、秋草模樣あきくさもやうつゆそでは、たか紫苑しをんこずゑりて、おどろてふとともにたゞよへり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
梅雨つゆ降頻ふりしきる頃には、打渡した水の満ちた田に、菅笠すげがさがいくつとなく並んで、せつせとなへを植ゑて行つてゐる百姓達の姿も見えた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
それをよく洗って一旦いったん美味おいしく下煮をしてそのつゆへ醤油と味淋と水とを加えてお釜の底へ煮た松茸を入れて御飯をその汁で炊きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... その杏のつゆを裏漉しにしてゼラチンで寄せたのです」大原「ゼラチンとは西洋にかわですね、先日僕もお登和さんから聞きました」妻君
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
家へ顔を出しますのはやっぱり破風はふから毎年その月のその日の夜中、ちょうど入梅つゆ真中まんなかだと申します、入梅から勘定して隠居が来たあとをちょうど同一おんなじように指を折ると
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つゆしらざれども其後更に二人の娘より一度の便たよりも無ければ案事あんじわづらひ或日長庵に向ひて申樣何卒姉娘のお文にも一度あはして下されと頼みければ流石さすがの長庵も當惑たうわく爲し挨拶あいさつこうはて口から出放題ではうだいの事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〽露つゆにもぬれてしっぽりと、伏猪ふすいの床の菊がさね……
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
梅霖つゆの雨しとどと降るに、汗流れ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たづぬるにくはしからず、宿題しゆくだいにしたところ近頃ちかごろ神田かんだそだつた或婦あるをんなをしへた。茄子なす茗荷めうがと、油揚あぶらあげ清汁つゆにして、薄葛うすくづける。至極しごく經濟けいざい惣菜そうざいださうである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「春時分は、たけのこが掘って見たい筍が掘って見たいと、御主人を驚かして、お惣菜そうざいにありつくのは誰さ。……ああ、おいしそうだ、頬辺ほっぺたから、菓汁つゆが垂れているじゃありませんか。」
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お前の今宵の艶やかさは——その眉は、星月夜の空に飛んだ流れ星のやうな風韻を含んでゐる。その眉の下にうつとりと見開いてゐる瞳は神潭しんたんつゆを宿して、虹の影が瞬いてゐる。」
夜の奇蹟 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
霖雨つゆしげし大き蝙蝠傘かうもり低くさしの子なるらし坂のぼり来し
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)