“にゅうばい”の漢字の書き方と例文
語句割合
入梅100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
入梅にゅうばいはまだ半月以上も間があるというのに、ここらの山の町はしめっぽい空気に閉じこめられて、昼でも山の色がくもってみえるので、このごろの夏の日が秋のように早く暮れかかった。
鰻に呪われた男 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あすこを通った日は丁度お天気だったけれど、そうそう、その時は丁度日本では入梅にゅうばいだったんだ、僕は観測所へ来てしばらくある建物の屋根の上にやすんでいたねえ、やすんで居たって本当は少しとろとろ睡ったんだ。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
今年は朝顔の培養ばいように失敗した事、上野うえのの養育院の寄附を依頼された事、入梅にゅうばいで書物が大半びてしまった事、かかえの車夫が破傷風はしょうふうになった事、都座みやこざの西洋手品を見に行った事
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『陽気がわるいでの……この入梅にゅうばいでは』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
久振ひさしぶりに御前で夜をかしてから出て来ると、よいのうちは入梅にゅうばいらしくしょぼ/\降っていた雨が、にわかに大降りに降り出したので、此の雨をいて自分の家まで帰るのはえらくわずらわしい気がしたが、その時ふっと、こう云う晩にかの人のもとを訪れてみたら、と、急に平中はそう思いついた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)