“しる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シル
語句割合
41.0%
15.4%
14.7%
7.3%
5.1%
2.4%
2.2%
1.9%
1.4%
0.8%
0.7%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
果汁0.3%
液汁0.3%
漿0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
漿水0.2%
漿液0.2%
0.2%
0.2%
記號0.2%
記述0.2%
記銘0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
神事かみごとはすべて児戯じぎたること多し、しかれども凡慮ぼんりよを以て量識はかりしるべからず。此堂押にるゐせし事他国にもあるべし、しばらくしるしてるゐしめす。
しるの多い芳しい果実を舌が喜ぶように、人の眼は色彩を喜ぶ。その新しい御馳走ごちそうの上へ、クリストフは貪婪どんらんな食欲で飛びついていった。
又ほかに、短冊形たんざくがたの金革に姓名と名乗を書いて、後襷うしろだすきに縫いつけていた者があるし、辞世の和歌とか俳句とかをしるしている者もある。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜な/\彼が屋根裏へ通う折に青白い光を浴びせた月が、その晩も牡鹿山の頂の上にあって、少年の影をくっきりと地にしるしていた。
母屋もやの几帳のかたびらひきあげて、いとやをら入り給ふとすれど、みな静まれる夜の御衣おんぞのけはひ、柔らかなるしもいとしるかりけり。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
イエス彼にいいけるはサタンよ退しりぞけ主たる爾の神を拝しただこれにのみつかうべしとしるされたり、ついに悪魔かれを離れ天使てんのつかいたち来りつかう。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
青葉をもめば青いしるが出るやうに惱めば思ひはかぎりない。が、何ごともそれにばかりぴつたり執しすぎると、自分の重苦しさに堪へられなくなる。
こんな二人 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
すでに一じんの薪となるべきを、幸にしる者にあひひて死灰しくわいをのがれ、韻客ゐんかくため題詠だいえい美言びげんをうけたるのみならず、つひには 椎谷侯しひやこうあいほうじて身を宝庫ほうこに安んじ
海道を東のほうへはいり、むかし鎌倉道だったと伝えられる草がくれの細径ほそみち辿たどってゆくと、牛田村うしだむらという処の松原はずれにこけむしたしるしの石が立っていた。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼らが山という神の宮居を仰いで、そこにあらたかな神慮のしるしを占ったとて、けっして怪しむにたりないであろう。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
殺せしやあまりと言へば恩知らずにつく仕方しかたなりサア尋常じんじやう白状はくじやうされよと云ひければ段右衞門輾々から/\打笑うちわらなんぢ女の分際ぶんざいとして何をしるべきや三五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これらの人をつらねて、五〇貨殖伝くわしよくでんしるし侍るを、其のいふ所いやしとて、のちの博士はかせ筆を競うてそしるは、ふかくさとらざる人のことばなり。五一つねなりはひなきは恒の心なし。
その辺りの白雲がゆらぎ出すと、いつも峰の肩に、夜明けの光がほの白むのが近いしるしである。——小次郎は、肚をきめて、盗賊たちが出た裏門から、紫陽花の壺へ、駈けこんで行った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待し人のかへりたればもはや用なし、これ見玉へ、のちしるしにせばやとてこればかりの髪の毛をやう/\のこしおきたり、幽霊いうれいも心ありてのこしつらんとて見せければ
魯粛は周瑜しゅうゆに報じて、万端の手筈をうながし、呉主孫権にも、事の次第を早馬で告げ、もし今にも、孔明の祈りのしるしがあらわれて、望むところの東南たつみの風が吹いてきたら、直ちに
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もも果汁しるのようなの光は、まず山の雪にいっぱいに注ぎ、それからだんだん下に流れて、ついにはそこらいちめん、雪のなかに白百合しろゆりの花を咲かせました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ナンテールやスュレーヌの方では葡萄酒ぶどうしゅがえらくできたぜ。十樽じったるくらいかと思ってると十二樽もあるんだ。圧搾器のために液汁しるが多く取れたんだ。
あかるい桃の漿しるをそそがれ
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
其の月日を一五〇しるす事もえせず。
編輯人としては私の名がしるしてあった。私はその時分下渋谷に住んでいたので、新宿の警察署へ呼び出された。
芝、麻布 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
「密封ゆえ、宛名は封の下にしるしておいたが、海東かいとう郡の蜂須賀はちすか村までだ」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひきたるが初めにて一兩日すぐうち發熱はつねつはなはだしく次第にやまおもりて更に醫藥いやくしるしも無く重症ぢうしやうおもむきしかば吉兵衞は易き心もなくことに病ひのためちゝは少しも出ず成りければ妻の看病みとり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扨も杉戸屋富右衞門に一人のせがれあり幼少のせつ疱瘡はうさうにて兩眼をうしなひしかば兩親も大に心を痛め種々治療ちれうに手をつくせ共更に其しるしも無く依て田舍座頭ゐなかざとうにせんも不便なりと種々に心配を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人となり聰明にして、目にわたれば口にみ、耳にるれば心にしるす。すなはち阿禮に勅語して、帝皇の日繼ひつぎと先代の舊辭とを誦み習はしめたまひき。
境を定め邦を開きて、ちか淡海あふみに制したまひ一二かばねを正し氏を撰みて、とほ飛鳥あすかしるしたまひき一三
わづかに影をしるせども
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
はつかに影をしるせども
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
辻の向側には曹洞宗東清寺としるした石碑と、玉の井稲荷の鳥居と公衆電話とが立っている。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つららとぢこま踏みしだく山河やまかはしるべしがてらまづや渡らん
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
国と国とが仲好しになったしるしとみなすことはできぬ。
人間生活の矛盾 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
然るに佐藤は道学者の語を以て怪をしるしてゐる。わたくしは此対照の奇に驚く。わたくしは早熟の瓜をも取らず、能言の木石をも取らない。わたくしはしばらく蘭軒の乾蝴蝶かんこてふくみして置かう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ここを以ちて今或るは一句の中に、音と訓とを交へ用ゐ、或るは一事の内に、全く訓を以ちてしるしぬ。すなはち辭理の見えがたきは、注を以ちて明にし、意況の解き易きは更にしるさず
おお、れる、滴れる、トマトの漿水しるが。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
シャリシャリいう、なんともいえない歯あたりと、どこか、すこしばかりピリッとした甘い漿液しる
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しるにして飲ませたとか書き立てたるを評して残酷も極まり過ぎるとかえって可笑おかしくなるといった。
西洋で鰻を食うに、骨切りなどの法なく、ブツブツと胴切りにしてしるに煮るを何やら分らずにう。ウィリヤム・ホーンの書を見ると、下等な店では蛇を代用するもあるらしい。
けれどもそれは、私の單調な生活のたつた一時間を變化で記號しるした。私の助力が必要だつたし要求された。そして私は與へた。私のしたことが喜ばれた。
……すなわちこのドグラ・マグラ物語の中に記述しるされております問題というものは皆、一つ残らず、常識で否定出来ない、わかり易い、興味の深い事柄でありますと同時に、常識以上の常識
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
たのみつる君は、此の国にては一一六由縁ゆゑある御方なりしが、人のさかしらにあひてしる所をも失ひ、今は此の野のくまわびしくて住ませ給ふ。
加へけれどもしるしなきゆゑ茂兵衞の枕元まくらもとへ金屋利兵衞をはじめ家内のこらず呼集よびあつわれ此度の病氣全快びやうきぜんくわい覺束おぼつかなし因て江戸の得意とくいを利兵衞殿へあづけ申なりせがれ吉三郎成人迄せいじんまで何卒我が得意先とくいさき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)