しる)” の例文
「朝目よく」うるはしいしるしを見た昨日は、郎女にとつて、知らぬ経験を、後から後から展いて行つた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その辺りの白雲がゆらぎ出すと、いつも峰の肩に、夜明けの光がほの白むのが近いしるしである。——小次郎は、肚をきめて、盗賊たちが出た裏門から、紫陽花の壺へ、駈けこんで行った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「月の笠じゃ。お山荒れのしるしじゃぞな。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)