“領”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えり36.6%
りょう18.3%
りやう10.8%
6.5%
うなず4.3%
くび3.2%
3.2%
うしは2.2%
2.2%
れう2.2%
うなづ1.1%
しら1.1%
しる1.1%
しろしめ1.1%
りゃう1.1%
りよう1.1%
ゑり1.1%
ウナ1.1%
エリクビ1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
健康であった時と同じ程な力を恢復かいふくしたらしい様子で、男はしっかり女を抱き締めた。そして唇を女のえりの側へ寄せてささやくのである。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
上物のよろいだけでも三、四十りょう、ほか具足やら腹巻やら、かずと来たら、ちょっと、めまいがしそうな程のおあつらえだ。ただ弱ったのは日限さ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勤居つとめゐたりしに若氣わかげあやまちとて不義密通ふぎみつつうに及びし事薄々うす/\かみへも聞え御家法ごかはふに依て兩人の一命をも召さるべきのところ同藩にて五百石をりやう物頭役ものがしらやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今日一日の種々いろいろ心境ここちと違つた、或る別な心境が、新しく智恵子の心をめた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ええ」とうなずきながら、ぼくはふいと目頭が熱くなったのに、自分でおどろき、汗をぬぐうふりをすると、あわてて船室に駆け降りました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
双方の虫は闘いをはじめて、声を出しながら争った。不意に小さな虫の方が飛びあがって尾を張り鬚を伸ばして、いきなり相手のくびにくいついた。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「ウン……あんな女だっていうぜ。毛唐けとうの船長なんか、よくそんな女をボーイに仕立てて飼ってるって話だぜ。寝台ねだいの下の箱に入れとくんだそうだ。自分の喰物くいものけてね」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
近づくにつれ、いよいよ驚かれるのは伯母のうしはく福慈岳の姿である。姪の女はただ圧倒された。これがわが肉体の繋りかよ。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
八百石をりました者ですが、何ういう訳か浪人して行方知れずになりました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ようするに、寫眞しやしんの本れうは、興味けうみはさういふ意味いみ記録きろくを、いひかへれば、過去くわこ再現さいげんして、おもひ出のたのしさや回想くわいそうの懷かしさをあたへるところにある。
買つてあてがつたところで、格別礼も言はないで、一寸うなづいてみせた位で、直ぐ受取つたに相違ない。
そのには、しらかみ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
たのみつる君は、此の国にては一一六由縁ゆゑある御方なりしが、人のさかしらにあひてしる所をも失ひ、今は此の野のくまわびしくて住ませ給ふ。
おおよそ現身うつせみのこのわが世間に、幽顕の二道あり。顕事は掛けまくもかしこ天皇命すべらみこと、これをしろしめし、幽事は大物主神おおものぬしのかみしろしめせり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
たとへば、緩漫なまのろふゆしりへにはなやかなはるめがるのをて、血氣壯けっきさかんわか手合てあひかんずるやうなたのしさ、愉快こゝろよさを、つぼみはな少女をとめらと立交たちまじらうて、今宵こよひ我家わがやりゃうせられませうず。
すき休めたるらまでもりようずる顔の姿かな。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
鼻はひくからねど鼻筋いたくくぼみて、さらでも差いでたる額のいよ/\いちじるく、生際薄くして延びたる髮はゑりをおほへり。
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
したてる媛の歌と言ふ大歌夷曲ヒナブリの「アメなるや弟たなばたのウナがせる珠のみすまる……」(神代紀)など言ふ句の伝つたのも、水神の巫女の盛装した姿の記憶が出てゐるのだ。
自分の処へ通ふ男の家を知る為に、糸をとほした針をエリクビにさし込んで、翌朝糸を伝うて行くと、姥个嶽の洞穴で止つて居た。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
茨田(まむだ)の堤(又は媛島)に、雁がを産んだ事件があつて、建内宿禰が謡うた(記・紀)と言ふ「汝がみ子や、ツヒらむと、雁は子産コムらし」を、本岐(ほぎ)歌の片哥として居る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)