“えり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エリ
語句割合
襟75.3%
衿11.0%
頸6.1%
領5.2%
撰0.3%
胸0.3%
選0.3%
半襟0.2%
択0.2%
江梨0.2%
衣領0.2%
鏤0.2%
鐫0.2%
項0.2%
頚0.2%
頷0.2%
黒襟0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶店の床几(しょうぎ)で鼠色(ねず)羽二重(はぶたえ)の襦袢(じゅばん)の襟(えり)をした粗(あら)い久留米絣(くるめがすり)の美少年の姿が、ちらりと動く。今日は彼は茶店の卓で酒を呑(の)んでいるのだ。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
風呂から帰ったばかりと見えて、衿(えり)のあたりがほんのり白くなっている。啓吉は帰って来た事を叱られそうな、おずおずした目で
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
それから、ヒョロヒョロした歩き方で、一匹の犬の側(そば)へ行ったが、やにわに頸(えり)がみを掴まえると、荒筵の方へ引きずって行った。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鄭祥遠も実は竜で我と釣り処を争うて明日戦うはず故九子をして我を助けしめよ、絳綃を領(えり)にしたは我、青綃は鄭だといった
横にのせ日がな一日買ひ歩行(あるき)戻(もど)れば夜を掛(かけ)撰(えり)わけて千住品川問屋先賣代なして聊(いさゝ)かの利益を得ては幽々(かす/\)に其日々々を送(おく)りけり然ども是を苦(く)にもせず稼(かせ)ぎ溜(たま)れば少しでも伊勢五の穴(あな)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山猫(やまねこ)はなるほどというふうにうなずいて、それからいかにも気取って、繻子(しゅす)のきものの胸(えり)を開いて、黄いろの陣羽織をちょっと出してどんぐりどもに申しわたしました。
どんぐりと山猫 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
善「選(えり)に選(え)って轡(くつわ)の紋付を買って来たのは何ういう訳だ、薩摩様の御紋所のようだなア、多助、何かそれがお前の家(うち)の定紋か」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その時まだ「出」の姿で居たといえば、水車の裾模様を二枚重さねて、帯は吾妻錦、襦袢(じゅばん)は緋(ひ)の紋壁(もんかべ)にしおぜの白半襟(えり)、芸子髷に金の竹輪を掛け、花笄(はなこうがい)に平打の銀簪(ぎんかん)、櫛は白鼈甲(しろ)の利休形(りきゅうがた)
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
その代り親たちに択(えり)出してもらった時その可否を決断する場合にはよくよく考えてみて、自分に不満足がなかったら承知の返事をしてもよいが不満足のあるのに心を曲げて服従するには及びません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「あれを見ろよ」と竹中啓吉が云った、「——さっき村長は麻太(あさた)って披露した、嘘だ、——姉娘は江梨(えり)といったろう、あれはエリヤだし、こんどの麻太はマタイだ」
おごそかな渇き (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と云いながら傍(そば)へ寄って、源三の衣領(えり)を寛(くつろ)げて奇麗(きれい)な指で触ってみると、源三はくすぐったいと云ったように頸を縮(すく)めて障(さえぎ)りながら
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
家が近所にあったところから、幼(ちいさ)いおりの馴染(なじみ)であった、おかなと云うその女が、まだ東京で商売に出ている時分、兄は女の名前を腕に鏤(えり)つけなどして、嬉しがっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
嗚呼鉄(くろがね)の筆と鉛(なまり)とをもて永く磐石に鐫(えり)つけおかんことを。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
項(えり)には銀の輪を掛け、手には鋼鉄の叉棒(さすぼう)を握って一疋(ぴき)の土竜(もぐら)に向って力任せに突き刺すと、土竜は身をひねって彼の跨(また)ぐらを潜(くぐ)って逃げ出す。
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
お庄は急いで合せ鏡をしながら、紙で頚(えり)などを拭いて、また叔父のところへ駈けつけた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と最早(もは)や頷(えり)のあたりがむづ/\して来(き)た、平手(ひらて)で扱(こい)て見(み)ると横撫(よこなで)に蛭(ひる)の背(せな)をぬる/\とすべるといふ、やあ、乳(ちゝ)の下(した)へ潜(ひそ)んで帯(おび)の間(あひだ)にも一疋(ぴき)、蒼(あを)くなつてそツと見(み)ると肩(かた)の上(うへ)にも一筋(すぢ)。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
急に黒襟(えり)のない着物を着たのと、髪の違ったのがなおさら人柄を違えて見せたのだった。