“鉄”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
てつ43.3%
くろがね24.8%
かね17.7%
がね6.4%
かな2.8%
てっ1.4%
あらがね1.4%
あかがね0.7%
0.7%
クロガネ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モーターの、うなるおとがきこえました。たくさんの職工しょっこうが、はたらいていました。てつてつおとが、周囲しゅういひびきかえっていました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かれくろがねうつわを避くればあかがねの弓これをとおす、ここにおいてこれをその身より抜けばひらめやじりそのきもよりで来りて畏怖おそれこれに臨む」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
枕元には、薬研台やげんだいの上に、びたかね灯皿ひざらがおいてある。その微かな燈心の揺らぎで見返しても——また合点のゆかないふしがある。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵の杖にも、のべがねがかくしてあったし、後先には、銅金どうがねが付いていた。そして紙捻で作った緒を通して腕貫うでぬきとしていたそうである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この人の悪口は、火の中から出したばっかりのかなごてのようだ。あつくて、ジリッとし、やけどをさせ、また消毒力ももっている。
風知草 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「じき、このてっさくのあちらは往来おうらいです。いってみてきましょう。」と、みつばちはこたえてびゆきました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二階の博刃はくじんは今し高潮に達したとみえ、ふみきる跫音あしおとあらがねとあらがねの相撃ちきしみあうひびき、人の心胆を寒からしめる殺気、刀気……ののしるこえ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あかがねとあらがねが、絡んで、軋んで、押しあうひびき。掛け声は、出ない。沈黙の力闘なのだ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
っさんたまにゃ菓子くれい買って来てもよかねいかい。」
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
クロガネの甲胄彳てる暖炉かな
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)